私より3倍多く服を持っていた結婚当初の夫
若いころの夫が特に好んで着ていたのが、流行真っただ中のデザインやタイトなシルエットの服。シーズンが変わるたびにお気に入りのブランドに足を運び、仲良くなった店員さんにおすすめしてもらった服を買っていたそうです。
ワンアイテムを買うのではなくマネキンが着ているものを一式購入していたようで、服は増える一方……。さらに、ファッション好きでありながら、タチが悪いことに「このシャツにはこのパンツ」といったようにマネキンがしていた組み合わせでしか着られない夫。手持ちの服との組み合わせを考えて着回せないため、処分もままなりません。
とはいえ、付き合っているうちは指摘できず……。その結果、結婚して住み始めた新居のウォークインクローゼットが夫の服や小物でパンパンになりました。
たくさん持っていても…夫に似合う服がない!
数ある中から夫がチョイスして着ている服も、正直イマイチ。「出かけよう」となると、ざっくり編まれたスケスケのニットやスタッズが山ほど付いているベルト、全面にダメージ加工が施されているジーンズなどを選んでいます。ド派手なピンクのチェックのシャツや、サスペンダーがだらしなくぶら下がっているパンツなど、とてもアラフォーには似つかわしくない服もお気に入りの夫。
さらに加齢とともに体形が変化し、若いころは似合っていたタイトなシルエットもパツパツになり、目も当てられません。姿勢の悪さやポッコリしてきたおなかが強調されています。私は我慢の限界に達し、結婚1カ月後には「正直、時代遅れに見えるよ」「この雑誌の服装みたいな感じが似合うんじゃない?」と忠告しました。
夫はしぶしぶ落ち着いた服を意識して着るようになったものの、昔からのお気に入りの服は「また流行が来るかも……」と捨てられず大量に残っています。隙あらば昔のようなファッションに戻りそうな様子でした。
家族だからか、私がいくら客観的な意見を言ってもあまり聞く耳を持ってくれません。ファストファッションのお店に連れて行って「これ似合いそう!」とすすめてみたりもしましたが、夫には「ファストファッション=安物でデザイン性がない」といった先入観があり、購入することはありませんでした。そこで次なる作戦を実行することに!
ミニマリストの動画がきっかけで服を処分
あるとき「最近ミニマリストの動画をよく見てるんだよね」と、夫にさりげなく見せてみました。ファッションとは違うジャンルから攻めてみることにしたのです。ミニマリストとは、必要最低限の持ち物だけで生活している人のこと。日用品だけでなく服も厳選した10着程度しか持っておらず、組み合わせを考えたり収納スペースを確保したりする必要がなく、合理的な毎日を送っている様子が動画に収められています。
するとこれが大成功! 物を持たない生活がいかに快適か、どんなメリットがあるかなどをわかりやすく解説されている動画は説得力があったようで、理屈っぽい夫に刺さったのです。夫はミニマリストの考え方に共感したようで、すぐさま持ち物の処分を開始! 服の処分にも着手し、ベーシックなデザインやシンプルなものを残して、あとは手放すことに成功しました。
ただ、厳選して手元に残した服はすずめの涙ほど。そこで、改めてファストファッションのお店へ足を運ぶことに。以前の夫はファストファッションに対してどことなく偏見があり、きちんと服を見ていませんでした。しかし、ミニマリストたちがシンプルな服を着回していることに感化され、今までよりじっくり眺めています。すると、ファストファッションのデザイン性や品質が高いことに気付き、私のすすめる服も難なく購入! おかげで、時代遅れでピチピチな服を着ることもなくなり、現在はシンプルなファッションに落ち着きました。
まとめ
私の言葉が届かなかったことは残念ですが、どうにか「今の夫」に似合うファッションに軌道修正できてひと安心です。また、私の言い方もあまりよくなかったと反省し、服装について声をかけるときは「この組み合わせがいいんじゃない?」「こうするともっとすてきになりそう!」といったように肯定的な言葉をチョイスするようにしています。
また、私も夫の行動に触発されて、もうあまり着ない服を一掃! 私自身のファッションも見直すきっかけになりました。クローゼットもすっきりしていいこと尽くしです。これからも夫婦で定期的に手持ちの服を見直す時間をつくろうと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/おみき
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著者:中村 ひとか
夫・息子・娘の4人家族。元気すぎる子どもたちに手を焼きながら、仕事と育児の両立に奮闘中。たまったストレスは、家族が寝静まったあとのお酒と動画鑑賞で解消しています。