引っ越しから1カ月ほど経ったころ、授業参観がありました。新しい学校では初めての授業参観です。できれば娘の友だちのママと話がしたいと、少し緊張しながら向かいました。
すると、校舎に入ってすぐに全身をハイブランドで固めた、ママから話しかけられたのです。
癖のあるママ友…
私が自己紹介をすると、ハイブランドママは「勘違いしないでちょうだいね?」と言います。なんのことかわからずにいると、ほかのママが一部始終を話してくれました。
どうやらハイブランドママの子ども・カイトくんは、これまでクラス1の秀才だったよう。しかし娘がたまたまテストの高得点をとったことで、2位になってしまったのだとか。それを根に持っているのでは? と言われました。
カイトくんのパパは高学歴で地元の優良企業勤めなのだそう。それもあってか、カイトくんがなんでも1位でないと気が済まないようです。娘はカイトくんのママから敵視されているのでしょう。
子どもがかわいそう!?
そんなタイプの人とは距離を置くのが一番です。しかし同じ学区に住んでいるので、そうもいきません。近所のスーパーで買い物をしているときにバッタリ会ってしまいました。
カイトくんのママは私を見つけるやいなや「あなた今25歳なんですって?」と言って、こちらの返事も待たずに話し続けます。
「18歳で妊娠出産なんて、さぞご苦労なさったでしょうね。さっき、あなたの家の前を通ったけど、やっと買えた家なんでしょ!」これは気が済むまで言わせておいたほうがよさそうだと思い、訂正はせず、ただ笑顔で彼女が話し終えるのを待っていました。
彼女は私が言い返さないのをいいことに「貧乏な家に生まれた子はかわいそう」と、エスカレート。さすがにこれは聞き逃せません。
口を開こうと思った矢先、1人の男性が近づいてきました。おそらくカイトくんのパパでしょう。「電話に出ないで、何してるんだ!」と怒っているようです。言い返す間もなく、カイトくんのママは帰ってしまいました。
ママ友が驚いた事実
数週間後の週末。今後は公園で遭遇……。カイトくんのママは「貧乏人は節約して遊ばないといけないから大変だ」「ノーブランドの安物を着ていてかわいそう」と、相変わらず言いたい放題です。
早くこの場を去りたいと思っていると、カイト君のパパが到着。カイト君が何冊も問題集を抱えているのを見て「また勉強なんかさせていたのか! 今日は外で遊ぶ約束をしていたのに……!」と怒っています。
夫婦で教育方針が合わないと大変だろうなぁ、と見ていたところに夫が到着。高級外車が目の前に停まったものだから、カイト君のママは目を丸くして驚いていました。
そして、次の瞬間「あ、社長!」とカイトくんのパパが夫に一礼。実は私の夫は、カイト君のパパが務める会社の社長です。
素性を隠しているワケ
みるみる顔が青ざめていくカイトくんのママ。それを見て、ご主人は「また何か失礼なことを言ったのか……」と呆れ顔です。きっといろいろなところでマウントをとる尻拭いをしているのでしょう。
マウントをとるターゲットを失い、カイトくんのママはご主人に怒られながら帰っていきました。それ以来、話しかけられることもありません。
ちなみに私たちがノーブランドの洋服を着ているのは、コスパを重視しているから。古い家を買ったのも、タワマン暮らしに飽きて古民家暮らしを楽しみたいからで、決して貧しいからではありません。
せっかく新しい街に来たので、年齢や住んでいる場所、肩書などは気にせず、気楽に付き合える友だちを作りたいと思っていました。引っ越して早々、面倒な人に絡まれてしまいましたが、これから新たに人間関係を作っていきたいと思っています。
いろいろな人に出会えるのがママ友のいいところ。見た目で人を判断するのではなく、しっかりと中身を見て判断したいですね。