突然現れた強面の男性
幼稚園に2人の息子を迎えに行き、その日はそのままスーパーへ。
車を降りる前に「いい? お店の中で走ったり騒いだりしたらいけないよ」と念を押します。息子たちは「うん、わかった!」と元気よく返事をしてくれました。しかし、スーパーに入ってすぐは静かにしていたものの、時間が経つと約束を忘れてしまった息子たち。店内を走り回り、遊び始めました。「こらー! 走らない!」と注意をするも、息子たちは言うことを聞きません……。他のお客さんからの視線を感じながら、私は困っていました。
すると、通路の奥から強面で体格がいい40代くらいの男性が近づいてきたのです。「おい! 走り回るな!」と一喝し、長男の前に立ちはだかる男性。私は内心「どうしよう……私も怒られるかも?」とびくびくしていました。ところが、男性は「君はお母さんのことは好きか? お母さんが走るなって言っているのに、無視していいのか?」と長男にやさしく話しかけたのです。長男は体を縮めながら「ううん。いけない」とひと言。さらに「じゃあ、お母さんの言うことをよく聞いて、これからは走るな。お母さんのお手伝いもしろよ!」と叱ってくれました。
長男が「はい、わかりました!」と答えたのを聞いて、男性は私に向かってなんとウインクをしたのです。私はびっくりしましたが、息子たちを注意してくれたお礼を伝えます。すると男性は「元気でかわいい子たちですね、でもお母さんを困らせちゃいけないよね」と笑顔で言い、そのまま去っていったのでした。家の外で、知らない人から注意を受けるのが初めてだった息子たちにとって、男性の言葉は印象的だったのでしょう。その後、息子たちはお店の中で走り回らなくなりました。改めて、人は見た目で判断してはいけないなと思った出来事です。
作画/Pappayappa
著者:なかいみずき
3歳と5歳のわんぱくな男の子たちと毎日奮闘中のアラサーママ。自然で遊ぶことがだいすきな家族と一緒に、田舎ライフを満喫中。