出産後も働きたい!と考えるママにとって、避けて通れないのが保育園選びです。親が働いているなどの場合に、就学前の子どもを家庭の代わりに預かってくれる保育園。公立や民間など、形態はさまざま。今回は、そんな保育園(保育所)の種類や特徴を紹介します。
保育園・保育所の種類と特徴
1.認可保育園(保育所)
児童福祉施設として基準を満たし、都道府県知事等の認可を受けている保育園のこと。設備や環境が整っているだけでなく、0歳児から就学前までの子どもの発達に合わせた保育内容が計画されます。民間企業が運営している園も。
2.認定こども園
保護者が働いている、いないに関わらず利用できる園。3歳からの幼児教育が主体の幼稚園と、0歳児からの保育を行う保育所の両方の機能を併せ持った施設です。国の定める基準を満たす施設が、都道府県等から認定を受けることができます。
3.小規模保育
0歳~2歳児を対象とした、定員19名以下の小規模で保育する施設。少人数でアットホームに保育できるのが特徴です。認可施設ですが、保育をする全員が保育士資格を必要とするA型、保育士の資格要件を緩和したB型、保育資格を不要としたC型と、基準が異なる3つの型があります。
4.家庭的保育(保育ママ)
国が定める基準を満たし、都道府県等から認定を受けた施設で、保育者の自宅などを利用し、0歳~2歳児の子どもを預かります。定員5名以下と少人数で、普通の家庭の中で預かってもらえるのが特徴。
5.事業所内保育
もともと企業や病院などが、そこで働く従業員のために福利厚生の一環として設けた保育施設。従業員であれば、勤め先に保育施設があることは大きなメリットにつながります。基準を満たし、認可を受けた認可事業所内保育施設と、そのほかの認可外事業所内保育施設があります。また、従業員が利用できる「従業員枠」のほかに、従業員でなくても利用できる「地域枠」を設けている事業所内保育施設も。
6.幼稚園の預かり保育
通常の教育時間以外に、子どもを預かるシステムを実施している幼稚園もあります。幼稚園の対象年齢は3歳以上ですが、在園していない3歳未満児を対象とする場合も。ただし、園によって、預かり保育の実施日や保育時間、保育料や対象年齢が異なるため、確認が必要です。
7.認証保育所とそのほかの認可外保育施設
認可外ではあるものの、自治体独自の基準をクリアし、助成を受けている施設を「認証保育所」などと呼んでいます。一方、自治体の助成を受けない認可外保育施設も。「無認可」「ベビーホテル」などと呼ばれます。種類を見分けるには、自治体のホームページなどで認可施設や自治体助成認可外の園リストで確認するとわかりやすいでしょう。
8.助っ人保育
1臨時的、一時的に子どもを預かってくれるシステムも。自治体が管轄して、地域の預かりたい会員と預けたい会員を引き合わせてくれる「ファミリーサポートセンター」や、自宅に保育者がきて、マンツーマンで保育してくれる「ベビーシッター」、子どもが病気のときに預かってくれる「病児・病児後保育」などがあります。
実際に行ってみました!「事業所内保育施設」ってこんなところ
今回取材したのは、茨城県にある「ウエルキッズつくば園」
▲玄関を入ると、かわいい動物たちが壁いっぱいに
「ウエルキッズつくば園」は2017年10月に開園したばかりの、「企業主導型保育」を利用した事業所内保育施設。ウエルシア薬局株式会社が従業員の福利厚生の一環として設置し、全国で300カ所以上の保育施設を運営する企業、ライクアカデミー株式会社が運営を受託しています。
現在は0歳児の赤ちゃん1名ですが、0歳(6カ月)~就学前までの子どもを預けることが可能です。事業所内保育施設なので、お母さん、お父さんの職場はすぐ近く。預ける親としては、通勤前にあわてることなく保育園に行くことができ、緊急時もすぐに駆けつけられるので安心ですね。
▲清潔感のある広い室内
▲すべての設備が子どもの高さに合わせられ、衛生面もしっかり
「家庭的な雰囲気と自然とのふれあいを大切にしています」と施設長の榎本則子さん。園内にはかわいい飾りだけでなく、植物が育っていく様子も展示。付近の公園の特徴が描かれた「おさんぽマップ」もあり、季節ごとの自然を楽しめる工夫がたくさん!
▲ホールから見える給食室。食事は専任の栄養士さんが調理します
「ウエルキッズつくば園」の保育の様子に密着!
▲登園してからしばらくは、絵本の読み聞かせや手遊びなど、室内で過ごします。アットホームで、赤ちゃんも落ち着けますね!
▲自然とのふれあいを大切にしている「ウエルキッズつくば園」。お天気がよければ、必ず1日1回はお散歩へ
▲公園に着いたら、レジャーシートを敷いてボール遊びやシャボン玉遊び。太陽の光を浴びての外遊びは大好き!
▲シャボン玉など、気になるものを指差しする赤ちゃんに、保育士の先生も「そうだね~」と声かけ。よりていねいなケアができるのは少人数保育ならでは
▲芝生と落ち葉の上をヨチヨチ、あんよの練習。カサカサとした音や感触を楽しみます。五感を使って自然にふれあう時間です
▲お散歩から戻ったら離乳食の時間。月齢に合わせて、かたさや大きさをアレンジしています。食材豊富で栄養バランスもバッチリ
▲家庭で食べている食材、食べたことがない食材を保護者からも聞き、相談しながら離乳食のアレンジを考えています
▲赤ちゃんそれぞれの発育、発達に応じて、手づかみ食べやスプーンの練習も
どの保育園でも、赤ちゃんの育ちを考えた保育を実践していますが、「ウエルキッズつくば園」のような事業所内保育施設では、より子どもに目が届きやすく、親と保育士の先生がコミュニケーションをとりやすいことも大きな特徴です。なにより、働いているすぐそばでわが子が元気に過ごしている、というのがうれしいですね!
いかがでしたか? 小さい子どもを預けて、働きたいと考えているママにとっては、保育園選びはとても大切。園にもいろんな選択肢があることを知って、子どもが過ごしやすく、働き方にも合った園選びができるといいですね。(TEXT:茂木奈穂子)
<取材協力>
ウエルシア薬局株式会社
ウエルキッズつくば園(茨城県つくば市東新井25-2 ウエルシア健康館内)
ライクグループ(ライク株式会社、ライクキッズネクスト株式会社、ライクアカデミー株式会社)
<参考資料>
『はじめての保育園』(主婦と生活社)