娘の対応に疲れていたら…
その日もバスに乗ってすぐに降車ボタンを「押したいー!!」と騒ぎ出しました。「降りるときに押せるよ」となだめても聞きません。まただ……という思いと、早く静かにさせなきゃという思いが混同。困っていたら、通路をはさんで隣に座っていたおばあさんが「ちょっと……」と話しかけてきました。
怒られるかなと思った私。すると、そのおばあさんは「おばちゃんね、次で降りるからボタン押してくれる?」と娘に話しかけてくれました。私の顔を見て「いいの?」と言う娘。私がうなずくとニコニコと笑ってボタンを押しました。
無事に役目を果たして娘は誇らしげ。その後もぐずる事なく乗っていてくれました。私がおばあさんにお礼を言うと、「おねえちゃん、ボタン押してくれてありがとうね」と娘に言ってバスを降りていきました。
娘が2歳のころは癇癪がひどく、ほとほと疲れていましたが救われた出来事でした。
◇ ◇ ◇
誰かの役に立つ、というのは子どもでもうれしいですよね。おばあさんも喜んでくれて、娘さんも自信につながったのではないでしょうか。2歳くらいのイヤイヤ期は外出も大変ですが、このような周りの助けがあると子育ても頑張れますよね。
イラスト/あやこさん
著者:深澤さち子
ふたりの娘の母。趣味はハンドメイド。