強引に子どもを押し付けてくるママ友
近所に住むママ友のAさんとBさんは、周りから見ても仲の良いママ友同士。ある平日の夕方、私はAさんが自分の子どもとBさんの子どもを連れて歩いているところを見かけます。Aさんの子どもは小学1年生の女の子。Bさんの子どもは2人いて、小学1年生の女の子と年中の男の子です。子どもたちは楽しそうにおしゃべりをしながら歩いていましたが、Aさんはどこかぐったりした表情。心配になったので声をかけると、Aさんは「今日はBさんが残業で忙しいらしいから、子どもたちの面倒をお願いされちゃってね……」と言います。「無理はしないようにね」と私が伝えると、Aさんはお礼を言って、そのまま去っていきました。
翌日、Aさんの向かいのお家に回覧板を届けに行った私は、ふたりが言い合いをしている現場に遭遇! 慌てて「どうかしました?」と声をかけると、Bさんが「Aさんが、もううちの子を預かれないって言いだしたのよ! 子どもが1人しかいなくて私よりラクなくせに」と言うのです。その言葉を聞いてAさんは黙っていましたが、その口は怒りで震えています。BさんはそんなAさんの様子には目もくれず「あなたも子どもが2人いるからわかるでしょ? ほんと、子どもがひとりってラクでうらやましいわぁ」と、私にも同意を求めてきました……。Bさんの自分勝手さにあきれつつ、私が「Aさんは友だちであって、Bさんの家政婦じゃないんだよ?」と言うと、バツが悪いのかBさんは黙りこくります。Aさんは淡々と「こっちの都合も聞かないで、強引に子どもを預けていかないでほしいの」とBさんにハッキリ言い、そのままドアを閉めてしまったのでした。Bさんも、私に何も言わずそそくさとその場を去っていきました。
翌朝、Aさんとゴミ捨て場でばったり。元々Bさんとは「ワンオペが多い者同士、助け合おうね!」と仲良くなったそうですが、一方的な押し付けにあきれて、もうBさんの子どもを預かることはやめたそう。その後、Bさんからも謝罪の言葉があったようで小学生の子どもたちは変わらず仲良くしているようですが、AさんBさんはお互いに気まずくなり、会えば軽く話す程度になったようです。
助け合いは、お互いの歩み寄りで実現するもの。私もママ友や家族に、自分の都合を強引に押しつけることのないように気をつけようと感じた出来事です。
作画/yoichigo
著者:佐々木まいか
20歳で結婚・出産をした、小学1年生と3年生の女の子2人を育てるママ。夫は単身赴任中でほぼワンオペの日々だが、休日は子どもと一緒に遠出をしたり推し活をしたりと、女子3人で楽しく過ごしている。