気持ちはうれしかったけれど…
陣痛が始まり、夫と実母が付き添いで来てくれました。子宮口がなかなか開かず、1時間が経ったころ、助産師さんに何か口にしてくださいと言われました。
その言葉に反応した実母。私は何か買ってきてほしい、とお願いしました。すると、分娩室に握り寿司を持ってきました。こんなときにお寿司なんて……と思ったとき、助産師さんが「それは、やめておきましょう」と止めてくれました。
分娩前の食事は、消化がよく短時間で血糖値が上がるものがおすすめと聞いていた私。さらに、その話の続きで「そんなときにお寿司なんて持ってきたら困っちゃいますね」なんて話を冗談で助産師さんとしていたのを思い出し、とても恥ずかしくなりました。
実母にきちんと伝えなかった私も悪いのですが……。陣痛の痛みで何も口にできていませんでしたが、母の行動で力が抜けてリラックスできました。
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陣痛中は短時間で血糖値が上昇する食品がよいとされていますが、固形物がNGということではありません。食事をする場合は、おにぎりやサンドイッチ、バナナなど片手で食べられる物、アイスクリームやゼリーなど口当たりやのど越しがよい物、ひと口大で食べやすい形状の物がおすすめです。
握り寿司もひと口で食べられますが、消化に時間のかかるタコやイカなどのネタが含まれていたり、まれに食中毒の危険があったりするため、「やめておきましょう」ということになったのかもしれませんね。
イラスト/シュー子
著者:桜 ひより
4歳になる双子女児と5歳男児を育てる母。小学校の非常勤講師として働いている。