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義父は教育じいじ!「勉強しろ!」誕生日プレゼントを壊された…→義父が涙したママ友のひと言とは?

私たち家族は義父と同居しています。義母は夫が幼いころ病気で他界したそうで、それ以来義父は夫を男手ひとつで育ててきました。

義父は家事も完璧で、結婚当初は平和な同居生活でしたが、息子が産まれてからすこしずつ変わっていったのです。

息子が産まれたのは、ちょうど義父が定年退職をしてすぐのこと。これまで仕事に割いていた時間をすべて孫に使うと宣言した義父は、育児書を読みあさり、すっかり“教育じいじ”になってしまいました。

 

いい学校に行かせて、エリートに育てると言いますがーー。

暴走する教育じいじ

少々暴走気味の義父でしたが、目に余るときは夫が注意してくれました。しかし夫が長期の出張に行ってしまい、状況は一変。義父の教育じいじぶりがエスカレートしました。

 

ごっそり家庭学習用の教材を買ってきたかと思えば、幼稚園から帰った息子につきっきりでやらせる日々。学習計画も半年先まで立てていて、その日のノルマが終わらないと自由に遊べません。

 

さすがにやりすぎだと夫から注意してもらいましたが、3日もすれば元通り。息子が泣くと、忍耐力のない子に育ったのは私のせいだと言い、私も息子も相当なストレスです。


でも、義父からすれば孫のためを思ってのこと。その気持ちもわかるので、私は困り果てていました。

 

私の教育は全否定!?

ある週末のこと。その日は息子の誕生日で、さすがの義父もお勉強はお休みにしてくれました。

 

プレゼントは欲しがっていたミニカー。息子はとても喜んで、ひとしきり家中を走らせたあと、画用紙にミニカーの絵を描き始めました。

 

そんな息子を私は微笑ましく見ていましたが、義父は気に入らなかったよう。「こんな物があるから勉強しないんだ!」と突然怒り出し、あろうことかミニカーを投げて壊してしまったのです。

 

一瞬の出来事にビックリしていた私は、息子が泣き叫ぶ声で我に返りました。私が抗議をすると「こんなものを買うくらいなら、勉強道具を買ってあげなさい。今から勉強しないと医者になれない!」と言うではありませんか。

 

しかしわが家は医師の家系でもなく、もちろん息子が医者になりたいと言ったわけではありません。


息子の人生は息子に決めさせると言っても、聞く耳を持たない義父。とにかく、たった5歳にこんな生活は厳しすぎると言っても、私が甘やかしすぎていると怒り、部屋にこもってしまいました。

 

ママ友のひと言

そんな最悪な空気のなか、息子の誕生日をお祝いするために幼稚園の友だち親子が遊びに来てくれました。玄関で出迎えながら、今朝の出来事をすこし冗談まじりにママ友に話していると、突然義父が部屋から出てきて、今度は幼稚園を変えた方がいいと言い出したのです。

 

今の幼稚園は、子どもの個性を伸ばしてくれるとても人気のある園。入園後の指導も素晴らしく、不満は何ひとつありません。私は転園させる気はないとハッキリ言いましたが、義父は勉強ができないと意味がないと言って聞きません。

 

私と義父がにらみ合っていると、ママ友が口を開きました。「あの……、お孫さんにはすごい絵の才能があると先生もビックリしていたの、ご存じないんですか?」

 

それを聞いて、お友だちが「あれ、見せてあげなよ! 」と言い、息子はハッとした顔をして小走りで自分の部屋に向かいました。

祖父が涙したワケ

しばらくして、幼稚園カバンからあるものを取り出して持ってきた息子。それは「特賞」と書かれた金色の花がついた絵でした。「ぼくのじいじ」と書かれていて、大人が見てもわかるくらい、義父にそっくりです。

 

細かいシワまでしっかり書かれていて、しかめっ面なのも特徴をとらえています。義父はそれを見てハッとしたようで「じいじは、こんなにいつもこわい顔をしているのか?」と息子に聞いていました。

 

そして「亡くなった妻は、美大出身だったんだ……それを受け継いでいるのかもなぁ」と言い、涙を流していました。


義父は息子を抱きしめ「ごめん」と謝り、私には「孫にいい人生を歩ませてやりたいと思いすぎて、才能を見逃すところだった。申し訳ない」と言い、部屋に戻っていきました。そっと覗くと、義母の仏壇になにやら話しかけていたので、きっとこの話を報告していたのでしょう。

 

それ以来、義父は一切「勉強」を強要しなくなりました。その代わり、プロが使うような上質な画材を大量に買ってくるようになったのです。“教育じいじ”ぶりは変わらずですが、息子の気持ちを尊重してくれるのでありがたい限りです。

 

 

孫やわが子にすこしでもいい人生を歩んでほしいと思うのは、誰もが同じこと。でも、大人が思っている「いい人生」が、本当にその子にとっていい人生かは誰にもわかりません。

 

ただ黙って見守る、やりたいことに寄り添うという愛情のかけ方こそ、一番難しいのではないでしょうか。

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