実況中継だけはやめて!
まず娘を先に用を足させ、子どもを個室内で待たせつつ自分もすぐにスタンバイ。 しかし、その日は生理中。暑い日で汗をかいていたこともあり、ナプキンを取り替えようとすると、自分でもわかるくらい蒸れたような嫌なにおいがしました。ササっとナプキンを替えようとしていると、娘が「なんか臭い!!」とひと言。あぁごめん……と思いながら、無言でナプキンを替えていたら、今度は娘が「ママ、血が出ているよ! けがしたの? 大丈夫?」と、大声で聞いてきます。 「あぁ……臭いのも血が出ているのも実況中継されているよ……」と、私は一気に脱力。恥ずかしさのあまり、個室に引きこもりたくなりました。
◇ ◇ ◇
混雑していたので意を決して娘と個室から出ると、案の定、外は順番を待つ長い列ができていました。しかし、並んでいる人たちは「何も聞いていませんよ」とばかりに、スマホをいじったり気にしていない風を装ってくれたり……。自意識過剰かもしれませんが、「スルーする」という優しさもあるのだと思いました。
作画/まげよ
著者:木村はちこ
30代、都内で4歳の娘と夫の3人で暮らすアラフォーの母。