倒れた義祖父が頼った人
夫と結婚して子どもが産まれ、その後はひ孫のこともかわいがってくれていた義祖父母でしたが、やはり年齢を重ねるごとに体調を崩すことも増えてきました。そうなると、子育てと介護という2つの問題が出てくるので大変です。夫と2人で「そうなったときはヘルパーを利用するしかない」「施設はどうだろうか」などと話をしていました。
そんな話をしていたときに、「老衰で眠るように」という言葉が相応しい姿で義祖母が亡くなりました。葬儀が終わって気落ちした義祖父の心配をしつつ、元気でいてくれることを願っていました。
その2年後、今度はその義祖父の介護が始まったのです。少し前まで元気だったはずなのに、急に体調を崩して立ち上がることもできなくなってしまったのです。ヘルパーを利用することを考えていたのですが、行政に相談してもなかなか空きがなく、人数も不足しているため難しいと言われました。そんなとき、義祖父が頼ったのは義父でした。
義父は介護職経験者?
義父は現在の職に就く前は介護職をしていたそうで、介護のポイントをいくつも知っていました。私と夫が将来訪れるだろう介護の問題について話をしていたのと同じく、義父母もいざというときにどうするかを考えていたそうです。結果、なんと義父が仕事を辞めて義祖父の介護をすることになりました。お金のことは義母と夫に任せて、私は子育てと家事をするということに。もちろん義父もできる家事はしてくれるとのことで、あっさりと介護問題が解決されたのには驚きました。
義父は行政などの手続きについても事前に確認していたようで、「きっとすぐにヘルパーが見つかることはない」とわかっていたようです。だからこそ、いざというときは自分の親である義祖父母の面倒を自分が見ると思っていたと言います。義母も家事を手伝ってくれますし、子どものこともかわいがってくれるので何も不満はありません。夫も義父が休めるよう休日は義祖父の介護を交代しているので、私が口や手を出す隙間もないほどスムーズに介護生活が続きました。
義祖父の気遣いと義父の親への気持ち
義祖父の介護は4年続きましたが、葬儀のときに義父が「ちゃんとみとることができて、本当によかった」と口にしていたのを聞いて安心しました。子どもとして、親の介護は大人になれば避けられない問題かもしれません。それでも、家族で協力して解決できたのは、「事前にどうするのかを考えておいた」ことが大きかったと思います。
まとめ
誰かに頼るしかなくなる介護問題を、「自分が行動する」と決めていた義父はすごいと感じました。夫の妻である私が介護をするかもしれないと考えていましたが、そんな心配はまったくなかったので少し拍子抜けしてしまった部分もあります。親が子を頼り、子が親を守るという姿を目の当たりにして、「義両親の介護は一緒にしっかりと見ようね」と夫と話し合いました。
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文/加茂みゆき
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