なぜか私を目の敵にするユウコさん。幼稚園の園庭で立ち話をしていると、決まって声をかけてきます。いつもは嫌なことばかり言われるのですが、あるとき意外な提案をされました。
ママ友が娘の誕生日会を主催
「もうすぐ娘ちゃんのお誕生日なのよね? お誕生日会をしてあげるわ!」とユウコさん。娘同士が仲良しなのは知っていましたが、こんな提案をされるなんて予想外です。
私は角が立たないようにやんわり断ったのですが、彼女が空気を読めるわけもなく「庶民のレベルに合わせたお誕生日会にするわ!」とやる気満々。
しかも、近くで話を聞いていた娘は「うれしい!」と乗り気で、私の気持ちに反してユウコさん主催の誕生日会が開催されることになりました。
娘がオーダーしたメニューは?
誕生日会の会場は、ママ友ランチでもよく使うファミレスです。何組かのママと子どもが参加してくれたのはありがたい限り。気乗りしないのは相変わらずですが、食事だけでも楽しくできればいいと思っていました。
「みんな、好きなものを頼んでね!」と幹事のユウコさん。その声かけに、娘が「私、お子様ランチが食べたい!」と言うと、ユウコさんの表情が一変……。
「せっかくの誕生日なのにお子様ランチ? 主役が頼むには質素な食事……。普段食べられないからよね。かわいそうな子……! 」と、いつものマウントが始まりました。
娘の誕生日会なのにひどいと思ったものの、言い返すのも面倒で黙っていると、娘が口を開きました。
「そうなんです〜ママの手料理がおいしすぎて、外食しようと思わないから、あんまり食べたことなくて!」満面の笑みで言う娘。マウントのつもりで発した言葉に想定外の返しをされて、ユウコさんは悔しそうな表情を浮かべています。
シングルマザー=貧乏!?
さらにそこで追い討ちをかけたのは、ユウコさんの娘・マミコちゃん。「いいなぁ、うちのママは全然お料理作ってくれないの」と淋しそうに呟きました。ユウコさんはバツの悪そうな顔をしています。
「うちは高級レストランで食事をしているだけよ! 必要な教育でしょ?」とユウコさん。「シングルマザーだと、高級レストランに行けることは今後もないと思うけどね」と娘に向かって勝ち誇った表情です。
どうやらユウコさんは私がシングルマザーだと思っている様子。夫があまり帰ってこられないので無理もありませんが、「シングルマザー=貧乏」と決めつけるのは失礼極まりない話です。
うちは単身赴任をしているだけだと説明しても、ウソをついていると一方的に決めつけます。ユウコさんの決めつけがあまりに不快だったので、ビデオ通話で夫と話してもらうことにしました。夫を巻き込むのは気が進みませんが、他に手はありません。
マウントママ友の末路
夫は海外勤務なので時差が心配でしたが、タイミングよく繋がって一安心。簡単に事情を説明したあとユウコさんにスマホを渡すと、みるみる顔色が変わっていきます。
それもそのはず。実は夫は、ユウコさんのご主人が働く外資系企業の社長。さすがに社長の顔は知っていたようです。
あくまでも私たちはママ友の関係なので、夫のことは持ち出さないようにしていたのですが、私と娘を貧乏だと決めつけてマウントをとられる日々は耐えがたかったので、仕方がありません。
ユウコさんは気まずさから急に静かになり、お誕生日会は残りのメンバーで和やな雰囲気の中終了。ユウコさんのマウント取りもピタッとなくなりました。
最近ではマミコちゃんの希望通り、家でごはんも作るようになったそうです。嬉しそうに話すマミコちゃんを見て、あのとき夫の素性を明かし、ユウコさんに釘を刺せてよかったと思っています。
ママ友にはさまざまな人がいます。しかし、子どもを介してせっかく仲良くなれたのだから、経歴や仕事、住む場所などで優劣をつけることなく、付き合っていきたいですね。