私は大事にされている…と思っていたら
友だちに紹介されたある男性。彼はワイルドな見た目のイケメンで、私としては見た目からどタイプでした。数回会ううちに、いつしか恋人のような関係に。お互いの家を行ききするほどとなりました。
ただ、彼はお泊まりをしても私にしてくれるのはキスだけ。彼は「きみとの付き合いは大事にしたいんだ」と言ってくれ、「私のことを考えてくれている」「結婚も視野に入れての言葉なのだろう」と彼の言葉を信じ、私は自分に都合のいいように受け取っていました。
そんなある日のことです。お泊まりデートをしていたとき、彼の入浴中に彼の携帯が鳴りました。「急ぎの件だったら……」と、携帯を手に取ると……。そこに映し出されていたのは女性の名前。しかも、私は気付いていませんでしたが、何件も不在着信が届いており、そのすべてが違う女性の名前だったのです。
どういうこと……？と焦り、お風呂から上がった彼を問い詰めました。すると、私は複数いる彼の「遊び相手」のひとりだったことがわかったのです。
彼からは「お前も遊び相手のひとりだよ。バレる前に手を出しておけばよかった」と最低な言葉をかけられました。
ショックでしたが、私はそのまま彼とお別れ。カッコいい人というのは、それだけで近づいてくる女性も多いのでしょう。この一件以降、彼のようなワイルド系のイケメンは、私の恋愛対象から外れるようになりました。
彼からは「バレる前に手を出しておけばよかった」と言われましたが、私としてみれば体を許す前に本性を知ることができてよかったのかもしれません。また、紹介してくれた友だちはどちらかというと彼のような「遊び人」のイメージが強かった人。そのため「類は友を呼ぶ」ではないですが、同じような価値観の人を紹介されたのかなと、友人からの紹介の際は、友だちの価値観や人となりも注視するようになりました。
著者／佐藤美子
イラスト／ほや助
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