自分が外で汗水たらして働いている間、私は家でグータラしている。そんな勝手な妄想で、夫はいつも私を責め立てていました。妊活のためと言って、独断で仕事と家事を両立させる道を閉ざしたのは夫なのに……。
また、夫の実家は商売をしていてよく手伝いをさせられていたのですが、そのたびに孫はまだかとチクチク言われ、とてもつらかったです。不妊の原因はわかっておらず、検査をしても私の体には異常が認められませんでした。しかし、夫は「妊娠しないのは私の問題だ」と言って聞かず、自分は検査にも行く気配はありませんでした。
生意気とさえ言われて…
ある日、夫の実家へ帰省することになりました。お手伝いと嫌味攻撃が待っていると思うと、気が進まず……。これまでも頻繁に帰っているので、今回は取りやめてもらえないかと夫に相談しましたが、聞いてもらえませんでした。
夫は私を心配するどころか、帰省は嫁として当然のことだと主張。医師にストレスが掛かりすぎると妊娠しづらくなることがあると言われたと言うと「子どももできない、夫の両親の悪口を言う、とんでもない嫁だな」と言われました。せめて家業の手伝いくらいしろと言われ、帰省は予定通りすることに……。
しかもひどかったのは、その後で。私がうちの実家へ行こうと誘ったのですが、それを夫は拒否したのです。結婚してからというもの、1度も顔を出しておらず、実母も夫の顔が見たいと言ってくれていて。それなのに、夫は私の実家では気を使う、のんびりできないと言うのです。すこし顔を見せるだけでもいいと言っても、却下。私は義実家には何度も顔を出しているのに……と伝えたところ、夫の実家を優先させるのは当たり前だと、平然と言い放つのでした。
じつは今回実家に帰りたかったのにはわけがあり、それは実父の具合が悪いと母に聞いたからなのです。それを伝えたところで、夫の行動は結局変わりませんでしたが。一応夫には、このままの状態が続いた場合、離婚も辞さない考えは伝えました。
驚きの帰省
嫌々ながらも帰省し、いつものように家業のお手伝いをした私。しかしそこには、夫の姿も義両親の姿もありませんでした。目を離したすきに、夫は遊びにでかけてしまったのです。義両親はすこし遠くまで食事にでかけたと、夫から連絡が入っていました。
そして、驚くべき事実を告げられます。今日は、親戚の集まりが義実家で開かれると……。ちゃんと準備しておけと言われて、あ然とする私。しかも今は店番中。どうやって食事などの支度をするというのでしょう。「嫁なら臨機応変に対応しろよ」と言われ、私は完全にブチ切れました。
「今どこだ!?」
「親戚の集まりを勝手に抜けるなんて非常識だろ!」
その夜、焦った様子の夫から連絡が入りました。
「自分の身が大事だからね」
「は?」
もうやっていられない! そう思った私は何もかも放って、実家に避難しました。
もちろん離婚も辞さない所存で。
親戚の前で恥をかいたと激怒する夫ですが、私はあれから何度も連絡したのです。どうなっても知らないと。遊びほうけていて、連絡に気づかないほうが悪いです。
しっかりと内面を見定めて!
それから私は、夫のいないすきに引っ越しを済ませました。私の荷物が1つもなくなった部屋を見て、帰宅した夫が慌てて連絡してきました。私は夫に離婚する旨を伝え、これからは弁護士を通して連絡するよう告げました。
それから数カ月。その間義実家では病人やけが人が出て、夫は世話をするために仕事を辞めたと聞きます。仕事を辞めた夫は、マンションに住み続けることができなくなり、実家に戻り、店を引き継ぐことになったそう。しかし、私へのひどい扱いがうわさになり、評判がガタ落ち。売上に大きく影響しているようでした。
結局店も手放すことになり、今は警備員の仕事で食いつなぎ、6畳1間のアパートで親子3人身を寄せ合っているのだとか。謝るから私の実家に住まわせてくれと、冗談みたいなことを言ってきましたが、離婚が成立してからは、夫からの連絡もぱったりと途絶えました。そして、私はというと仕事を再開し、新しい恋も育んでいます。
義両親と夫から冷たい態度を取られていた妻。自分の実家にも帰らせてもらえず、義両親たちに無理難題な要求をされて心身ともに疲弊していたのではないでしょうか。無理をして嫌な場所に居続けることはありません。これからは自分の人生をもっと楽しんでほしいですね。