「夫が頻繁に外に出て行くな……」と思っていたら、ある日突然夫から「自分の仕事を頑張りたいから、今後家事は一切しない」と言われました。夫の稼ぎは少なく、娘の給食費すら支払えない時期もあったため、私がフルタイムで働き出し、これまでずっと大黒柱として働いてきたのです。そのことについて今まで何も言ってこなかった夫が、急に態度を変え、私のことを批判するようになったのです。
夫は稼げない自分を私が酷評していると思っており、「本当は俺がいなければ何もできないくせにいつもえらそうにしている」と言われました。正直なところ、夫は主夫とはいえ家事に積極的ではなく、私と娘がいつも手伝っている状態でした。
ただ夫の気持ちを十分に考えられていなかったのは、事実かもしれないと反省。私は夫の気持ちが落ち着いたら2人で話をしようと提案しましたが、夫にはひとりにしてほしいと言われてしまいました。
突然の別れ話
それから2週間後。夫は夜の外出が増えました。ある日帰宅があまりにも遅いので連絡すると夫からは「帰らない」と一言。そして「好きな人ができたから別れてくれ」と言われたのです。突然のことで、私はパニック状態に陥りました。
夫は「これからは自由に生きる、本当の愛を大事にしたい」と言い出しました。「それってつまり、不倫をしていたということ?」と尋ねる私に、「彼女は女神のような人で、これは純愛なのだ」と夫に強く主張されました。
そして夫は、その不倫相手と一緒に暮らすと言うのです。自分を必要としていない私たちと違い、彼女は夫を必要としているのだそう。本当は私たちも夫を必要としているのですが、彼にはもうそうとは思えなくなっているようでした。
とにかく頭を整理したいと考えた私は、夫に1週間の猶予をもらうことにしました。その間に、娘にも事情を話そうと思って……。
娘の考えは…
翌日、私はありのままを娘に伝えました。
「パパ、好きな人ができたって」
「これからどうしようか」
あまりに突然で考えがまとまらない私に、娘ははっきりとこう言ったのです。
「どうしようって」
「仕返しするに決まっているじゃん」
今まで家族のために1番頑張ってきたのはママだと言う娘。それなのになんだか悔しいじゃないかと……。娘の目にも夫は働き者には見えておらず、私たち家族の手を借りてなのにえらそうだと言い始めました。
また娘は、今の夫の状況に疑問を感じているようでした。お金も若さもない夫にそんな素敵な女性が寄ってくるだろうかと。私は思わず沈黙。きっとだまされていて、そのうち帰ってくるよと父親のことをバッサリ。
そして今後のことはママ自身の気持ちを優先し、どうしたいのか決めてほしいと言ってくれました。そして娘は「ママには後悔しない選択をしてほしい、これからもついていくからね」と私の背中を支え、押してくれたのです。
目を覚ませ!
結局娘の予想通りになり、夫は私たちのもとへ戻ってきたがりました。でも、もう戻れません。私たちは手狭な部屋へ引っ越してしまっていたので。2人家族にぴったりの部屋数ですから、新しい家に夫の居場所はないのです。
夫は不倫相手に貢ぐため、身の回りの金目のものから自分の仕事道具であるパソコンまで、すべてお金に換えてしまったようでした。そして、大金を作って渡したところ、不倫相手はドロン。逃げられてしまったそうです。
仕事道具さえ手に入れば一生懸命仕事もできる、家事も文句を言わずにやる、だからもう1度だけチャンスをくれと夫に言われましたが、それも不可能ではないでしょうか。何しろ今まであった夫の仕事は、私が紹介したものばかり。今回の1件はその人たちの耳にも入っていますから、仕事なんてもう回ってこないでしょう。
助けてほしいと懸命にすがってきた夫ですが、私の目も覚めたのです。これ以上、夫を甘やかすことはできないということを。これからは娘と2人で生きていきます。 もう二度と私たちを頼らないで。私たちのところには、夫の居場所はもうないのだから……。
その後、義両親の協力もあり、はじめは離婚を拒否していた夫も、結局は離婚届に判を押してくれました。夫へは、ちょっとした仕返ししかできませんでしたが、すこしショックを与えるくらいはできました。今はちょっとスッキリです。
大黒柱の妻を見て、負い目を感じていた夫。気持ちはわからなくはありませんが、主夫もきちんとした仕事。家族にとってなくてはならない必要な仕事です。それでも負い目を感じたときは見栄をはるのではなく、素直な気持ちを妻に話していたり、相談していたら違う未来やもっといい家族の形になっていたかもしれません。それを不倫という形で逃げるのはよくないですよね。夫には自分の行動を反省してほしいですよね。