まさかこんなことになるなんて…
Aさんとのチャット内容は、子育てに関する他愛もないものばかり。親密な仲というわけでもなく、たまに時間を合わせて子どもといっしょに公園で会うぐらいでした。しかし次第にAさんから「今日お家に遊びに行ってもいい?」と何度も連絡がくるように。平日週3〜4回程度来るAさんからの誘いに戸惑いましたが、息子も楽しく遊んでいるので、私はAさんの希望に極力応じて自宅で遊ぶようにしていました。
そんなある平日の夕方、Aさんが自分の息子を連れて「時間が空いたから、来ちゃった」と自宅に突然訪ねてきたのです。アポ無しで来られるのは初めてのことで驚きましたが、その日は予定があったので「ごめん! 今日は義実家に行く予定なの。また今度ね」とお断り。Aさんは「そっか〜。急に来てごめんね」と申し訳なさそうな顔で、そのまま帰っていきました。
しかし翌朝、新聞を取りにポストへ行くと、消印のない白い封筒が1通……。それはAさんから私宛ての手紙でした。「昨日あなたと遊べなくて、悲しくなって大変傷つきました。一度私の立場にもなってものを考えてみることはできませんか? 前から一度お伝えしようと思っていましたが、遊びの誘いも私からだけです。それに……」と、丁寧な口調ではあるものの、私に対する意見が便箋3枚にびっしり……。昨日だけでなく、これまでも私から遊びの誘いを断られると、Aさんはつらい気持ちなっていたそうです。Aさんの気持ちはわかったものの、手紙から私に対する執念が伝わってきて、背筋がゾッ。もうメッセージのやりとりをやめようかと思いつつも、今の状態のAさんを無視するのが怖かったので「昨日はごめんね! お手紙ありがとう」とだけメッセージを送り、徐々に会う回数を減らすようにしようと決心。
その後、手紙で言われたことを直接口にされることはなく、会うといつも通りのAさん。しかしあの手紙の内容は少し怖いなと思ってしまい、何度かAさんの誘いを勇気を出して断りました。また手紙が来るかなと怯えていましたが一度も届かず、遊びに誘ってくることもなくなり……。どうやら他に仲が良いママ友ができたようです。
これまで週3~4回ほど遊んでいたため、Aさんの中で私への執着が強くなっていたのかもしれません。ママ友との距離感は難しいなと実感すると共に、私自身もひとりに執着するようなことがないよう、適度な距離感を大切にしていこうと学んだ出来事です。
作画/yoichigo
著者:桂ゆかり
働く乗り物が大好きな4歳の男の子と、ティッシュをひらひらさせて遊ぶのが大好きな2歳の女の子を育てるアラサーママ。夫は夜勤のため、月〜土曜日までワンオペの日々を過ごしている。