指が1本多いとわかった夫は…
妊娠中につわりが酷く、仕事を休むことが多くありました。医師からつわりを緩和する薬をもらい、少しながら緩和するときもありました。ただ、問題ないと言われていても、自分の気持ちとしては薬を飲むことはできるだけ控えたいと思っていたので、なるべく飲まないように我慢していました。
やっと出産を迎え、無事に赤ちゃんが生まれたことにほっとしたのもつかの間、生まれた息子は指が1本多くあり、「多指症」と医師に告げられました。手術ができると言われたものの、本来であればする必要のない手術をしなければならないことに申し訳ない気持ちや悔しさでいっぱいでした。
夫にも共感してほしかったのですが、多指症を告げられたあとに夫は信じられない言葉をかけてきました。
なんと「つわりが酷くて薬飲んでたからね」と私に言ったのです……。
夫のひと言でなおさら落ち込んだ私。薬は関係ないと医師は言っていたのに、夫は私のせいにするのです。医師の言葉に救われる一方、夫の言葉は、何があっても子どもと妻を守ってくれる人だと思っていた私にとってはショックでした。また夫は人のせいにする人間なんだと、時すでに遅しですが気づきました。
その後、息子は手術を無事に終え、経過も良く手を使って遊べています。夫は自分のことは棚に上げ、私や息子に何かあれば自分は悪くないと人のせいにすることが相変わらず続きました。人目だけは気にするのか、普段育児に関わらないのに、誰かと一緒にいるときは良い父親を演じている夫。それを見ていることがストレスで耐えがたかったです。
結局、産後に言われたひと言が忘れられず、また日ごろの夫の行動にも我慢の限界に達したため、話し合いの末、夫とは離婚しました。今はシングルマザーとして息子を育てていますが、もともとワンオペ育児でしたし、ストレスの原因だった夫と離れたことで、息子と2人で毎日が幸せです。離婚という決断をしてよかったと思っています。
※多指症は胎児期に手足の指が作られる過程で、指が多く作られる病気です。原因については、解明されていません。
著者:中田めぐみ
2歳の息子を育てる母。医療関係に勤務。趣味は音楽と映画鑑賞