ママ友からの飴玉の誘惑
その日は、私、3歳の娘、2歳の息子で公園に行きました。いつものメンバーと遊んでいたら、あるママに「◯◯(娘)ちゃんは飴食べられる?」と聞かれたのです。当時3歳の娘に、私は飴玉をあげたことはありません。
「チョコは最近食べたけど、飴はまだなんだ」と断りました。そのママはその場にいたほかの子どもたちに飴を配り、みな飴を口に含んで遊んでいました。
娘の初めての飴体験
飴を見た娘は、「みんなが食べてるのを私も食べたい!」と言ったのです。みんなが食べているから自分も食べたいという娘の気持ちもわかります。不安はありましたが、私は「ここでじっとしてなめるんだよ」と飴をもらいました。
飴を口に入れたあと、娘に思いもよらぬ事態が!
娘は私の横にじっと座って飴をなめていました。でも、周りの子どもたちは飴をなめながら遊んでいます。すると娘はじっとしているのに耐えきれず、キックボードで走り出したのです。
「飴なめたままだと危ないよー!」と私が叫んですぐ、娘は「グ!!」と飴を喉につまらせてしまいました。すぐに背中を叩き、詰まった飴を取り出すことができましたが、娘は一瞬驚いた表情に。そしてすぐにケロッとして走っていきました。
飴をくれたママは「あげなければよかったね」と言ってくれましたが、飴を許可した私に責任があり、とても反省しました。
チョコやスナック菓子など、このお菓子は何歳から、と私の中でルールを決めていました。でも、突然「このお菓子食べる?」と聞かれ、判断を間違えました。あとから知ったのですが、子どもに硬い飴をあげていいのは6歳以上とされているのだそう。自分の直感を信じ、子どもの安全を最優先にして判断することが大切だと肝に銘じた出来事でした。
◇ ◇ ◇
丸くてつるっとしているものは、子どもはうまく噛めない上に口の中で滑りやすく、ふとしたときに丸飲みしてしまうことがあります。また、喉にはまり込んで気道をふさぎやすく、窒息につながる危険性も。日本小児科学会では5歳以下の子どもに飴を与えるのは避けるよう呼びかけています。食品による窒息から子どもを守れるよう、日頃からルールを決めておきましょう。
ただし、6歳以上なら安心して飴を与えられるというわけではありません。飴は噛んだり飲み込んだりしないで、なめて食べさせるようにします。大人が見守っている環境で食べさせるようにしましょう。
もしお子さんが喉に物を詰まらせてしまったら、すぐに119番通報をし、以下の応急処置をおこなってください。
<1歳以上の子どもの場合>
腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法・ハイムリック法)をおこないます。
①子どもの背中側から救護者の両手を回す
②みぞおちの前で両手を組み、勢い良く両手を絞ってぎゅっと押す
<1歳未満の乳児の場合>
①救護者が膝を曲げ(もしくは椅子に座り)、太ももの上に子どもをうつ伏せに抱きあげる
②子どもの背中の、肩甲骨の間のあたりを手のひらで5~6回強く叩き、詰まった食品を吐き出させる(背部叩打法)。
それでも窒息が解除できない場合や意識がない場合には……
③子どもをあお向けに寝かせ、心肺蘇生と同じように、左右の乳頭を結んだ線の中央で、少し足側を指2本で押す。
※直径39mm以下の物(トイレットペーパーの芯を通る物)は誤飲・誤嚥するおそれがあるため、 赤ちゃんや小さな子どもに渡さない、手の届くところに置かないということも心がけましょう。小さな子は口いっぱいに食べ物を詰め込むこともあるので、食事やおやつのときは子どもから目を離さないようにしてくださいね。
著者:新谷けご/40代女性/2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)