アメリカでひとりきりの出産
アメリカでの出産は、1泊2日の計画無痛分娩が一般的。私も夫の仕事の都合や上の子どもたちのお世話などを考え、担当のアメリカ人産婦人科医と、妊娠39週0日での計画無痛分娩を決めていました。
出産当日、私を病院に送り届けた夫と上の子どもたちはそのまま帰宅。当時コロナ禍による立ち会い制限や上の子どもたちを託す人がいなかったことなどが理由で、私はひとりで出産することにしていたのです。
医師が「オーノー!」と叫んだワケ
入院後すぐに陣痛促進剤の点滴が始まったのですが、想定より早く陣痛促進剤が効いてしまった私。スタッフさんが急いで出産準備を進めてくれる中、電話越しに「オーノー!」と叫んだ産婦人科医。
私が「何!?」と聞くと、予定されていた麻酔科医が別の手術に駆り出され、連絡がつかないとのこと。私の陣痛はどんどん短い間隔になっていて、医師から「これ以上麻酔科医を待つのは無理だ。もう麻酔なしでいこう!」と言われました。
期待していた無痛分娩ができなくなったことへの動揺、どんどん痛くなる陣痛や急な心細さ……思わず分娩台で泣いてしまった私に、医師がかけてくれた「頑張れ! たったひとりで痛みに耐えているあなたは素晴らしいよ!」という励ましで、私は最後まで頑張ることができたのです。
産後健診の際に医師に聞いたところ、今回のように麻酔科医が間に合わない事例はまれだそう。3人目の出産だったことや、経過が順調だったことから、私の場合は麻酔なしでも大丈夫と判断したとのことでした。
計画無痛分娩に麻酔科医が来ないという、まさかの事態に動揺してしまった私。出産は想定外のことが起こり得るものだと改めて感じ、「3度目だし計画無痛分娩だから、ひとりでの出産も大丈夫!」と安心しきっていた自分を反省した出来事でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:濱田よし/2014年イギリス生まれの長男、2018年日本生まれの長女と2021年アメリカ生まれの次女、夫の5人家族。夫の海外転勤による約10年の海外生活を経て日本に帰国。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)