ママ友に誘われた集まりは…
「毎週土曜日に私の友人たちと集まって、ごはんを食べている場所があるの」「お弁当も無料だから、ぜひ来てみて!」と言うママ友。人見知りの私ですが、せっかく仲良くなれたママ友の誘いということもあり、勇気を出して誘いにのってみることに。
早速土曜日に、娘を連れて教えてもらった住所を訪ねてみると、雑居ビルの小さな会議室のような場所に到着。そこでは、老若男女問わず10名ほどの人たちが集まってお弁当を食べていました。しかし、そこにママ友の姿はありません。そしてよく見ると、室内には宗教系の怪しげな本やパンフレットがたくさん。さらには大中小様々な大きさの水晶まで……。
「もしかして、この水晶を買わされるかもしれない……!?」 「よくない集まりなのかも……?」と不安になっていると、「よく来てくださいましたね! 〇〇さん(ママ友)から聞いていますよ。子育てで疲れた心を癒やしましょう」と私は部屋から出てきた女性から声をかけられました。その女性は私と同年代くらい。落ち着いた雰囲気の服装からやさしい印象を受けて少しホッとしたのですが、その女性に「まずはママのお話だけ私が聞きましょう。娘さんはこの部屋で預かりますから」と奥の小部屋に案内されそうになり……。「あの、〇〇さんは?」とママ友の所在を聞くと「すぐに来ますよ」とのこと。しかし、娘に目をやると別の女性が娘の肩に手を置いています。「まずい……逃げられなくなっちゃうかも」「でも、娘が人質にされてる……」と私が尻込みしていると「マーマー! まだ公園で遊びたかった!」と突然、駄々をこね始めた娘。「すみません、娘がどうしてもまだ公園で遊びたいみたいなので、失礼します!」と言って、私は足早にその場から離れたのです。
その後、公園でそのママ友に会うと、「どうして帰っちゃったの? すごく癒やされるのに」と言われました。私は「私には必要ないから。あともう誘わないでほしい」と伝えました。ママ友は少し悔しそうな顔を見せましたが、特に何も言わず立ち去りました。その後は、公園で会ってもあいさつすらすることはなくなりました。
同じ年頃の子どもを持つママの言葉だからと、安易に信用してついて行ってしまった私。いくら話しやすくても、よく知らない相手と親交を深めるときには、警戒心を持って関わるべきだったと反省しました。大切なわが子を守れるよう肝に銘じておこうと思います。
作画/Pappayappa
著者:三谷みゆき
好奇心旺盛な1歳の息子と、こだわりが強めな3歳の娘のママ。2人の出産を終えて職場復帰したが、週6ワンオペの子育てと仕事の両立に悪戦苦闘中。子どもたちが寝たあと、動画を見ながらまったりお菓子を食べることが癒やしとなっている。