母子家庭を完全否定
母子家庭はしつけがなっていない、お金にセコい、愛情不足で自己顕示欲が強いなど、どれも偏見のかたまりです。母子家庭だからといって、そんなことはまったくありません。
お父さんがいるときはまだマシで、買い物に行くと言って席を外すと「結婚は認めない」と別れを強要されました。彼にはきちんとした家の出身で、両親に愛されて育った人が似合うと言って、私を全否定するのです。
もう黙っていられません。私は母と亡き父に愛されて育ったし、由緒ある家の出身ではありませんがそれは彼の家庭も同じこと。ここまで母子家庭を見下す人は人生で初めてです。
すると、言い返す私にいら立ったのか、彼の母親はまるでドラマのように湯呑みのお茶をかけました。私は全身お茶まみれです。
その様子を見て彼は「もう二度と会わない」と宣言しました。彼の母親は満足気に頷いていましたが、彼が私の手を取って出ていこうとすると、大慌て! 「二度と会わない」のは自分に言われた言葉だと、そこで初めてわかった様子でした。
彼の実家を出たあと、彼は私に何度も謝ってくれましたが、今日のことで彼の愛を再確認できたので、何ら問題はありません。
義母が謝罪!?
後日、私が実家でゆっくり過ごしていると、彼の両親が訪ねてきました。どうやら彼から絶縁すると言われて驚いた父親が、母親を引き連れて謝罪にきたようです。
父親は最初から、私たちの結婚に賛成だったと言います。理由は彼の笑顔。私と結婚し、あの笑顔がずっと続くと思うと嬉しいと笑って、母親の無礼を謝ってくれました。
一方謝罪にきたはずの母親は、相変わらず「みんなだまされている」と騒ぎ立て、反省の色は見られません。挙句、私は彼の家の財産目当てで結婚するのだとまくしたてたのです。
彼の母の暴言を一通り聞いた母は、うちには父の残した土地や家屋がいくつもあり、母も事業を手がける実業家なので、お金には困っていないと説明しました。
母の事業の話を聞いているうちに、彼の母親は上機嫌に。本当の親戚のように仲良くしてほしいと、猫なで声で喋り出しました。それを聞いた母はニヤリ。罠にかかったと、内心大笑いでした。
実は母の話は全部ウソ。彼の母親がいかに卑しいかを炙り出すための、母の作戦だったのです。
義母の本性あぶり出し!
母は「ここまでの話は全部私の妄想です。お金がない普通の家庭だとわかったら、また掌を返しますか?」と問うと、彼の母は怒りで震えていました。
ここで口を開いたのは、それまで黙って話を聞いていた彼の父親でした。妻がどれほど卑しい人間かを改めて知ったよう……。離婚話を持ち出され、彼の母親はパニックに陥りました。
「離婚はしたくない」と地団駄を踏む彼の母を父親が無理やり引っ張って帰り、この話は終了。騒げば騒ぐほど見苦しく、彼のお父さんが呆れ顔になるのに、騒ぐのをやめなかった義母。離婚は確定でしょう……。
去り際、お父さんは「妻のことは気にせず、幸せになってください」とひと言。不安を抱えていた嫁姑問題ですが、思わぬ形で解決しました。私と彼の結婚を阻むものはなくなったので、安心して結婚に向けて進めそうです。
偏見がいかに人間関係をこじらせるかがよくわかりましたね。家族の形や歩んできた道ではなく、お互いを大切にすることが幸せな関係を作る秘訣ではないでしょうか。