義両親がやさしかったワケ
結婚以来いつもやさしくしてくれた義両親なので、困っているなら力になりたいのは山々です。しかし、私にできることはありませんでした。
すると、義両親の私に対する態度は一変。ひどい扱いを受けるようになりました。夕飯は私ひとりだけ粗食。みんなが豪勢に焼肉を食べている中、私は白飯と梅干しだけ……。
食べたければ生活費をもっと出せと言われてしまいました。きちんと生活費も入れているので、何だかふに落ちません。
夫に愚痴をこぼすと「自分で買って好きなものを好きに食べられていいじゃん」と能天気な返事……。ひどい仕打ちを受けるたびに相談するも、ポジティブ人間すぎてまったく事態を理解していませんでした。
どうやら今まで義両親がやさしかったのは、父のツテやお金をアテにしていたからのようです。反発していざこざを起こすより、静かに距離をとっていくほうが賢明と考えた私は、夫に引っ越しを提案しました。
夫も乗り気で話はトントン拍子に進み、私たちは駅前のタワマンで暮らし始めたのでした。
夫婦を続ける条件は?
しばらく静かに生活していたのですが、突然夫の帰宅と同時に義両親が新居にやってきました。どうやら経営難から脱したようで、強気な態度を見せる義両親……。「ここは自分たち家族が住む、邪魔だから出ていけと」と家を追い出されたのです。
すでに実家は売ってしまったらしく、手に入ったお金の半分は夫が譲り受けるそう。それをエサに、夫はタワマン同居をそそのかされたようです。義両親と仲良くやれないなら……と離婚を突きつけてきました。
フツフツと沸いていた怒りは、離婚の話で一気に頂点に達しました。夫婦でいることの条件が「義両親と仲良くすること」だなんて、意味がわかりません。私は家を出ることにしました。
そんな中私が荷物を片付けていると、家族3人で楽しげに話す声が耳に入ります。どうやらリフォームを検討しているよう。この部屋は賃貸契約なので、リフォームをしても問題ないのか頭をよぎりましたが、私には関係のない話です。黙って家から去りました。
今更助けてって言われても…
数カ月後、元夫から連絡が入りました。義両親が家賃を払えず支払いが滞ってしまったと言うのです。
どうやら彼の大ざっぱな性格が災いし、あの部屋が賃貸だということを両親にきちんと話していなかったらしいのです。義両親は私が父に買ってもらったと勘違いしていたようで、家賃はないと思い込んでいたそう。勝手にリフォームをしてしまったことも問題になっていると言います。
家賃を支払わないわけにはいかず、してしまったリフォームをなかったことにすることもできず……「人生なんとかなるさ!」が口癖の元夫ですが、人生にはどうにもならないことがあるということを初めて知ったようです。
電話口では義両親が「助けてくれ」と騒いでいましたが、あんなにひどい扱いをした私の力を借りようなんて、なんてお気楽なのでしょう。私は、問答無用で電話を切りました。
元夫一家の末路
結局、元夫たちはタワマンを出ることになったよう。家賃と部屋を元通りにする料金、引越し代と、それはそれは大変なお金がかかったようです。
怒り狂った両親は、すべてお前のせいだと元夫に責任をなすりつけました。支払いも全部彼に押し付けたそうです。でもあの性格なので、なんとかなるさと……。借金をして、すべての代金を支払っているのだとか。
結局義実家の工場はつぶれ、家族みんな借金取りに追われることとなったと聞いています。一方、私は将来を見据え父の会社に入社! きちんと会社に貢献し、今では再び素敵なタワマンに住んでいます。
人生、神経質になりすぎないことも必要ですが、のんきすぎるのも考えものです。ほどよいきまじめさを持ちあわせながら、ポジティブに生きていけると良いですね!