好みがはっきり分かれていた二人
年子の姉弟は、身長差こそありますが、どちらも細身で似たような体型です。それでも、服の好みはまったく違っていました。娘は紫や赤といった女の子らしいデザインを好み、息子はいかにも男の子向けというようなデザインが大好き。
私はそれぞれのこだわりを尊重して、服や靴を買い分けてきました。「もし同性のきょうだいだったら、お下がりができて家計も助かったかな」と頭をよぎることもありましたが、本人の気持ちを差し置いてまで、お下がりを前提に選ぶようなことはしなかったのです。
「かっこいい女子」へ。娘の好みが変化
そんな娘も、小学生に上がったころから「かっこいいデザイン」を好むようになりました。選ぶ色は青や黒になり、服装も動きやすさを重視したボーイッシュなスタイルに。
長かった髪もバッサリと切り、すっかり「かっこいい女子」へと変わっていきました。今のスタイルもよく似合っているし、自分の「好き」を追求する時期なのだろうなと、私は娘の変化を肯定的に見守っていました。
ママ友が誤解?否定しても信じてくれず…
梅雨入りを前に長靴を買いに行った際、娘が自ら選んだのは水色のデザインでした。雨が降ったある日、その長靴で登校する娘を見て、あるママ友がこんなふうに言ったのです。
「えー、〇〇ちゃん(娘)って赤とか女の子っぽいのが好きだったよね? 水色なんて珍しい! ……あぁ、そうか。下の子にお下がりできるもんね。だからその色にしたんだ」
私は思わず「娘が自分で選んだんだよ」と伝えましたが、相手は「え、本当に……?」と少し疑うような表情。
もちろん、サイズアウトした服を弟も着てくれたら助かるな、と思うことはあります。でも、わが家の場合は、あくまで本人の好みを優先してきました。娘が自分の意思で選んだものなのに、それを信じてもらえず、まるで親が節約のために誘導したかのように言われたことが、なんだか悲しく、モヤモヤとした気持ちになりました。
その後も娘は、髪型も服装も自分らしい「かっこいい系」を突き進んでいます。例のママも、今の娘のスタイルを見慣れたのか、もう何かを言ってくることはなくなりました。
年齢が近いからこそ、お下がりが活用できれば効率的かもしれません。けれど、子ども一人ひとりに自分の意志がある以上、その気持ちを何よりも大切にしてあげたい。今回の出来事を通じて、改めてそう心に決めたのでした。
著者:新谷けご/40代女性。2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)
※AI生成画像を使用しています