娘の発言にヒヤリ…
ある日、保育園から3歳の娘と歩いて帰っていたときのことです。帰り道は人通りが多いため、いろいろな人とすれ違います。おしゃべりが大好きな娘は「あの女の子の靴かわいいね」「あ、ワンちゃんだ! かわいい~」などとうれしそうに私へ教えてくれていました。
そんななか、ひとりの年配の男性とすれ違うタイミングで、男性の頭を見ながら娘は「あの人、どうしてあんなに髪の毛が少ないんだろう?」と不思議そうな顔をして言ったのです! それも、男性に聞こえてしまう声量で……。見ると、その年配の男性は頭頂部の髪の毛が薄め……。娘の目線に反応して、年配の男性は私たちに話しかけられたと思ったようで、「ん?」と言って娘のほうに目を向け、立ち止まりました。
「誰かの見た目について言ってはダメだよ」「嫌な気持ちになる人もいるからね」とこの場で娘に言うべき!? いや、相手に聞こえたらそれも失礼か!? と私は焦って脳内がプチパニック。
すると、娘がその年配の男性に「私も赤ちゃんのころ、髪の毛なかったの」とニッコリ。たしかに娘は1歳を過ぎるくらいまで髪の毛が薄い赤ちゃんでした。スマホの写真を娘に見せて「このころは髪の毛なかったよね〜。娘ちゃんかわいいね♡」と話したことを娘は覚えていたのでしょう。
年配の男性は「そうなんだ。おそろいだねぇ」と微笑み返してくれました。「すみません……!」と謝罪をすると「気にしないでください」とニッコリ笑ってくれて、そのまま去っていきました。男性が気分を悪くしていない様子を見て、一安心。
その後、「嫌な思いをする人もいるから、見た目のことは言わないようにね」と娘に話して聞かせました。子どもはこういった経験を積み重ねて、いろいろな人に対して気持ちへの配慮を覚えていくのだろうなと感じた出来事です。広い心で娘と話してくれた年配の男性には感謝しています。
著者:佐野千佳/30代女性・パート。8歳の息子と、4歳の娘を育てながら、週5パートに出るワーママ。自分のしたいことも楽しむアクティブ系の30代女子。真面目でやさしく研究熱心な息子と、ポジティブで明るくひょうきんな娘に癒やされる日々を送る。
イラスト:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています