安心できる存在だった
大学のときに付き合っていた彼とは喧嘩もなく、別れを考えたことはありませんでした。あちこちデートに行ったり、散歩をしたり……そんな日々が楽しかったです。
彼は喫煙者で、唯一そこが嫌いでしたが、それ以外は話も合うし気がラクで、一緒にいて楽しく安心できる存在でした。
彼が妙なことを言い出して…
しかし、付き合って1年ほど経ったある日、2人でランチをしていたときのこと。彼がふと、「俺って◯◯(私)が初めての彼女でしょ。最近、もっとあとになって出会いたかったと思うんだよね。このまま結婚することになっても、初めての彼女だから、俺は他の女の人を知らないまま終わっちゃうでしょ」と言ったのです。
そのとき、「あ、彼は私とのこれからを考えることに不安があるのだ」と察しました。彼にとって私は初めての彼女。だからこそ、「私だけしか知らない」ことに不安があるのでしょう。私自身、彼と出会う前に数人と付き合ったことがありますが、しっかりと向き合えたのは彼が初めて。デートの楽しさ、気を許せる安心感、そういったものを感じたのは彼が初めてでした。それも、私が過去何人かとお付き合いをしたことがあったからこそ、比較して今の彼との楽しさを知れたのだと言えます。
彼の突然の言葉は、私の中でぐるぐるとめぐっていました。
家に着いて別れを切り出した
その日はそのまま家に帰った私たち。夜に彼と電話をしたのですが、私は妙に冷めてしまっていました。そして「あなたの言っていること、理解できる。まだ大学生だし、たくさん恋愛したい気持ちもわかる。私はあなたのことが好きだけど、別れて他を見るのもありかもね」と伝えました。
すると、彼は「え!! ちょっと待って! 本気で別れたいとは思ってない!」と焦り始めて……。
てっきり「私と別れたい」という意味だと思っていた私は驚きました。そして、どうして昼間のようなことを口にしたのか聞いてみることに。すると、彼は友人に指摘されたのだと言います。「◯◯(私)しか女性経験ないってどうなのよ」と。
彼は、本当に私のことを好きでいてくれていて、このまま続いていくと結婚するだろうと思っている一方で、私しか付き合ったことがないというのは心残りにもなりそうと考えたことを伝えてくれました。
ただ……それから数年後、いろいろあり私は彼とはお別れしました。別れたあと、彼とたまたま会う機会があった際、「新しい彼女ができた」と知りました。その際は「あのとき、他の人と付き合いたいって言ってたもんねー」と憎まれ口を叩いてしまった私でしたが、彼が幸せに過ごしてくれていることを、今でも心から願っています。
著者:新谷けご/40代女性・2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年5月)
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