「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、つわりがひどく辛い思いをされているプレママさんからの投稿です。つわりの種類と、気をつけなければならないこととは?
Q. つわりがしんどい……8kgも痩せてしまいました
上の子2人のときもそうだったのですが、今回の妊娠でもつわりがあります。今日で9週ぐらいなのですが、食べては吐くの繰り返し……。体重も8kg減りました。もともと肥満だったのでいいのですが。
困っているのは子どもたちのことや、身体が思うように動かないことです。仕事は気が張っているからかなんとかなるのですが、終わってからがきついです。家に帰ってきても何もできず、横になるだけ。実母がすべてやっています。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、身体が動きません。
あまり食べていないからかずっとボーッとしていて、気がつくと寝てしまっています。眠りはかなり浅いです。少し食べて吐かないようにしたいのですが、吐き気に勝てません……。さらに、昨日あたりからかなり症状がきつくなっている感じがします。かかりつけの病院が休みで受診はできていないです。もう、うまく付き合っていくしかないですよね?
宮川めぐみ助産師からの回答
つわりの症状がつらいということで、しんどいですね。水分はちょっとずつでも摂れていますか? 水分が摂れないと、しんどさが増すかもしれません。吐き気が強いときには無理に食べなくてもいいと思いますが、水分が摂れないのはよくないので、気をつけてみてください。
質問者さんも好きでつわりの症状を強くしているわけではないですし、お母さまに申し訳なく感じることもあると思いますが、甘えてしまっていいと思いますよ。体調がよくなってきたら、何かお返しするようにすればいいと思います。
今は体重もぐっと減ってしまい、体力も落ちているかと思います。無理をせずに、お家では甘えましょう。あとは、少しでも水分が摂れているといいのですが……状況により受診してみてくださいね。
※参照元:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー〈 https://baby-calendar.jp/talk/topic/detail/25571 〉
つわりの種類と症状について
妊娠5週を迎えるころに突如やってくるムカつき、吐き気。だいたい妊娠7〜9週くらいにピークを迎え、妊娠12〜16週ごろに終わる人が多いようですが、人によっては長期間つわりに苦しむことも。薬を飲むわけにもいかず、これも赤ちゃんを迎えるための洗礼! と思ってひたすら耐えるしかない……。まずここで“母親力”が鍛えられているのかもしれませんね。
さて、その“つわり”にはいくつか種類があるのはご存知でしょうか。それぞれの症状と対処法をご紹介します。
吐きつわり
いつも胃のあたりがムカムカして吐き気があるのが「吐きつわり」タイプです。今回の質問者さんのタイプですね。食べられないときには無理に食べる必要はありません。あっさりしたものを少しずつ食べてみましょう。レモンなど、酸味のあるもので味付けをしてみると食欲をそそります。吐きつわりの人は脱水症状が心配です。スポーツドリンクやフルーツシャーベットなど、口当たりのさっぱりしたものを摂るのもいいでしょう。水分をまったく受け付けなくなり、尿の量が減ったり、視界がおかしくなったりした場合は、病院を受診してください。
食べつわり
空腹時に気持ちが悪くなるので、つい食べ続けてしまうのがこのタイプです。特に朝起きたばかりのときに気持ち悪くなる人が多いようです。このタイプは食べ過ぎないように気を付けること、食品が単品(炭水化物メイン)が多くなると空腹時の血糖が下がりすぎ、より気持ち悪さが増すため、食事のバランスはしっかり考えてください。1日に食べる量を5〜6回に分けて食べ過ぎを防ぎましょう。
その他
つわりの症状は人によってさまざまです。しょっちゅう眠くなる、疲労感・倦怠感、嗜好が変わる、イライラ感などこの時期には体が「休養」を要求しているので、体の信号に従ってとにかく体を休めましょう。
※参照元:基礎知識(妊娠中)「つわりのタイプと対処法」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/116 〉
重症化した“妊娠悪阻”に注意!
つわりの症状が悪化して「妊娠悪阻」となるケースがあります。食べ物から栄養を摂取できなくなると糖質が不足し、代謝の異常が生じ、有害物質であるケトン体が増加します。そのほか、ビタミンB1、ビタミンKが不足するなど、通常のつわりと比べると重い症状が出るのが特徴です。
つわりと妊娠悪阻には明確な境界がないものの、診断の目安として次のような点が挙げられます。
●つわり
・気持ち悪い、だ液が増える、頭痛、眠気、食欲がない
・妊娠15~16週ごろには、おさまることが多い
・全妊娠の50~80%にみられ、初産婦に多い
・早朝のおなかが空いているときに症状が強い
●妊娠悪阻
・一日に何度も吐き、食事が取れない
・水分も取れない
・尿検査でケトン体が陽性を示している
・体重の5%または週に1~2kg減る
・立っているとふらふらしてしまい、ずっと横になっていることが多い
これらの症状が見られる場合、妊娠悪阻の可能性が高いので、無理をせずに早めに受診するようにしましょう。
※引用元:基礎知識(妊娠中)「妊娠悪阻(にんしんおそ)とは?つわりとの症状の違いや対処法・治療方法について」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/1003 〉
つわりの時期は、つらい+食べられなくて赤ちゃんに栄養が行かなくなるのでは……と心配になると思いますが、無理のない程度に、食べられるときに、食べられるものを食べればそれでOKです。もし何も食べられないのであれば、宮川助産師も注意喚起しているように、意識して水分をこまめに摂るようにしましょう。もし、水分も摂れなくなるようであれば、受診をおすすめします。つらい時期ですが、がんばって乗り越えてくださいね。