彼がひょう変!?
会社から帰宅するなり、彼は「ビール」「メシ」などの単語しか言わないのです。会社で会うときはいつも通りやさしいのに、家ではずっとこんな感じで、どうして急に横暴になったのか原因がまったくわかりません。
「家にいるときだけ冷たくない?」と思い切って聞いてみると、「俺、本当に気を許した相手には、取り繕いたくないからさ。お前のことを信頼している証拠だよ」とのこと。
モヤッとしたままではあったものの、私に心を許しているから素を出しているんだと自分に言い聞かせました。
しかし、その後も私への暴言はエスカレート。家事は一切やらず、私にばかり押し付けてきます。一方で、私の両親がいるときなどはやさしく、外面はいいのです。私はそのギャップに疲れを感じると同時に、二重人格ではと思うほどの性格に少し恐怖を抱き始めました。
我慢の限界に
ある夜、帰宅後の彼に、「お帰り! 今夜はあなたの好きな料理をたくさん作って……」と話しかけると、「ウザいな、俺が疲れてるってわかっているんだろ? なのに話しかけるなよ!」「何でもいいから早くメシ! さっさとしろ!」といきなり激怒されたのです。
私だって言われてばかりではいられません。「ひどすぎる、私はあなたの家政婦じゃない!」と反論すると、彼は「そんなに言うなら別れてもいいから! いちいちうるせぇんだよ、俺の許可なく話しかけるな! 文句言うなら実家に帰れ!」と暴言。それ以降、なにを言っても無視です。
これには私も我慢の限界。彼と別れる決心が固まりました。ただ、これまでさんざん嫌なことを言われ、ひどい扱いをされてきたので、ただ別れるだけでは癪にさわります。何か仕返しをしてやりたいと思っていたところ、その夜、彼が寝た後にとある人からメッセージが届きました。
「ふぅん……。これはいいことを聞いたわ」
こうして私は、彼に仕返しすることにしたのです。
「話しかけるな!」に従って…
それから数日間。私は、彼の命令に従い、一切話しかけませんでした。食事も別々で、会社でもなるべく避けていたのです。そうして、彼の誕生日になりました。
帰宅した彼は、数秒間ジーッと私をにらみつけ、「何か言うことねぇのかよ!?」と怒鳴りました。私が、「話しかけるなって言われたから、従っていただけだけど?」と答えると……。
「へりくつをこねるな! 俺が疲れているときには話しかけんなって言ったんだ。文句があるなら別れていいんだぞ?」
ものすごい剣幕の彼に、私は宣言しました。
「そうね。家政婦や世話係みたいに家のことは全部押し付けられるし。感謝の言葉もひとつもなくて、いつもキレて暴言ばかり。結婚もとりやめね」
それでも彼は、「できるもんならやってみろ、俺みたいなハイスペックはそうはいないぞ?」と高飛車なままでした。
そのとき、リビングに面した部屋の引き戸が、ガラガラ~っと開きました。現れたのは、私の両親と会社の同僚たち。実は、彼の誕生日のサプライズパーティーをすると言って、私がみんなを呼んだのです。先日の夜中のメッセージは、同僚から彼の誕生日祝いをしたいとの内容でした。
社内で彼のウワサが拡散
やさしくて穏やかな営業スマイルの彼しか知らないみんなは、ビックリ仰天。そして、すべての状況を理解した両親とともに、私はその夜に実家に戻りました。
翌日には社内で、彼がモラハラ男だとのウワサが拡散。最終的に、いたたまれなくなった彼は依願退職し、故郷へと帰っていったのでした。
一方の私はというと、家政婦扱いされたり暴言を吐かれたりすることもなくなり、仕事も楽しく充実した毎日に。入籍前に同棲したことで相手の本性がわかり、変な男と結婚しなくてよかったと今では教訓に思っています。
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