婚約者にドン引き
継娘が連れてきた男性は、結婚のあいさつだというのにろれつが回らずお酒のにおいをプンプン漂わせていました。おまけに、「はじめまして」のあいさつもなしに、いきなりたばこに火をつけたのです。さすがに看過できなかった私は、思わず「出直してきなさい」と追い返してしまったのですが……。
娘はこれに激怒しました。「最初に言ったよね? 彼はホストだから、仕事のお酒が抜けていなかっただけ。せっかく来てくれたのに追い返すなんてひどい! それとも職業差別?」
私はもちろん、人の仕事をバカにするつもりはありません。しかし、出会いはホストクラブでお客だった継娘はかなりの金額を貢ぎ、同棲費用も出している様子……。亡き夫から彼女のことを頼まれてもいますし、母として、心配するあまりの行動だったのです。
「一度冷静になって」と言っても継娘は聞く耳持たず。
「えらそうに……。他人のくせに何様? 本当の母親なら娘の結婚を祝福するでしょ。それができないあんたはやっぱりニセモノだ!」 と逆ギレして家を飛び出ていきました。
挙式直前に?
それでもわが子同然に育ててきた継娘。最終的には、彼女が選んだのならと結婚を応援し、夫の遺言通り、その費用も援助することにしたのです。
ところが数カ月後……。いよいよ来週挙式というときに、突然ショッキングなメッセージが届きました。
「結婚式には産みの母親が来るから♡」
「ニセモノの母親は欠席で」
「あらそう」
「じゃあ欠席でいいわ」
驚いた私が返信できずにいると、「実は偶然、本当のお母さんに再会したの。あんたと違ってゴージャスな美魔女だった。私の結婚もすごく喜んでくれて、お祝い金もくれるって。口うるさい継母とは大違い」と言うのです。私は悲しいやらむなしいやら。それでも、この子を見守ってくれる家族が他にいるなら私の役目も終わりだと、身を引くことにしました。
数日後…
「お母さん、どうしよう……」と、結婚したはずの継娘が泣きながら電話をしてきたのは数日後。聞けば、婚約者に裏切られ、結婚費用を持ち逃げされて連絡が途絶え、キャンセル費用や身に覚えのない借金まで請求されているというのです。
「本当のお母さんに相談しなさい」と伝えると……。どうやらそちらも音信不通とのこと。
「やっぱり……」と、私は内心で思いました。というのも、彼女の本当の母親は昔、不倫に夢中になった挙句に美容代などで借金を抱え、当時の夫と娘を捨てて逃げた女性だからです。私は再婚後の夫からこの話を聞きましたが、継娘には話していませんでした。今回近づいてきたのも、娘の結婚相手にせびろうとしたのでしょう。彼がホストと知って興味をなくしたようです。
私は、泣きじゃくる彼女に言いました。「ニセモノの私はもう母親面をしない。あなたも立派な成人なんだから、真面目に働いて自分で責任を取りなさい」と……。
その後私は引っ越しをし、継娘の連絡先もブロック。遠くから、彼女がパートを掛け持ちして何とか頑張っている様子を見守っています。そして、これからの人生はもっと自分のために楽しんでいこうと思います。
--------------
亡き夫のためにも一生懸命育ててきた継娘からの暴言と無情な仕打ち。その後助けを求められても、拒否したくなる気持ちも理解できます。この先は、自分の時間を大切にして、第二の人生を歩んでいけるといいですね。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!