親以外の大人に怒られて、子どもたちが学んだこと
スーパーに行くといつも兄妹の追いかけっこが始まります。注意をしても聞いてくれません。いつもは夫がいる日に買い物をしていますが、その日はどうしてもすぐに必要な物があり、仕方なくひとりで子どもたちを連れてスーパーへ。事前に「人にぶつかったり、けがをしたりするから走らないでね」ときちんと約束をしました。
しかし、スーパーの自動ドアをくぐった途端、追いかけっこがスタート。あっという間に姿を消してしまいました。事前に説明したのに! とイライラしながら追いかけますが、見当たらず……。どうしよう……と困っていると、どこからか「こら! お兄ちゃんたち迷子になるぞ!」と男性の大きな声が聞こえました。その声の方向に行くと、スーツを着た50代くらいの男性に怒鳴られてしまったようです。私の声には振り向きもしない子どもたちが、びっくりして立ちすくんでいました。「やばい! 迷惑かけちゃった……おじさん怒ってるよね」と思っていると、私の存在に気づいた男性がこちらへ近づいてきます。私は慌てて「ご迷惑をおかけしてすみません……」と伝えました。「きちんと見てなさい」と怒られる! と思っていたのですが、なんとその男性は、「子育て大変だよね。私も見ず知らずの子を怒鳴ってしまって申し訳なかった。でもこうやって、町ぐるみで子どもたちの安全を守っていくことも必要だと思ってね」とやさしく言ってくれたのです! 私はその男性のやさしさに感動。改めてお礼を言い、子どもたちにもう一度スーパーで走り回ってはいけないことを伝えました。
その後、男性からの注意が効いたのか、毎回ではないですが、息子は走り回らないようになったうえに、娘の手を引いて歩いてくれるように。見ず知らずの子どもを注意することをためらいがちな時代ですが、そんな中でも子どもたちのことを思って注意してくれた男性には感謝の気持ちでいっぱいです。私自身も、子どもを守るための注意はこれからもしっかりしていこうと思った出来事でした。
著者:井島りほ/30代・主婦。2歳の女の子と5歳の男の子を育てるママ。おしゃべりが大好きで寝るのが苦手な兄妹と、にぎやかな毎日を過ごしている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)