ママ友の教育方針
同じマンションに住む男の子・Aくんは娘と同い年の5歳で、同じ幼稚園に通っています。ある日、幼稚園から帰ると娘の元気がありません。どうしたのかと尋ねると「Aくんにおままごとしようって言ったら、嫌って言われたの」と悲しそうに言う娘。なんて声をかけようかと思っていると、続けて娘が「もう5歳なんだから女の子と遊ぶんじゃなくて、男の子と遊ばないとダメだってお母さんに言われたんだって。だから私とももう遊ばないって言われたの……」と悲しそうに言うのです。たしかにAくんママは「女の子なんだから、もっとおしとやかにしないと」「男の子なんだからもっと大きな声出さないと!」というように、男女はこうあるべきだと常に口にするタイプ。以前から違和感はありましたが、あまり気にしないようにしていました。しかし、子どもが誰と遊ぶかまで決めるとは、思わずドン引きです。娘には「そっか。Aくんと遊びたかったのに遊べなくて悲しかったよね」と声をかけましたが、どこか悲しそうで心が痛みました。
翌朝、マンションのエントランスでAくん親子とばったり会います。私は「娘がAくんと遊べなくて寂しかったみたい」とやんわりAくんのママに言ってみると、「娘ちゃんも女の子と遊んだらいいじゃん! Aは男の子だから遊べないよ~」と言う始末。言ってもわかってもらえないな……と諦めかけていたとき、うつむいていたAくんが「……ママ、女の子とも遊びたいよ! 幼稚園ではみんな仲良くしましょうって先生言ってたよ」と言ったのです! そして娘の手をとり「行こう!」と言ってくれました。娘もとてもうれしそうです。Aくんママは息子から思わぬ発言をされてあ然としている様子。そして、私に気まずそうに「娘ちゃんに悲しい思いさせてごめんなさい」と謝ってくれたのでした。その後、Aくんママが謝ってくれたこともあって、今でも2人は仲良く遊んでいます。
男の子と女の子は成長とともに好みや楽しいと感じる遊びが変わってくることがあるのかもしれませんが、遊びの内容や遊ぶ相手を親が決めつけていいものではないと思いました。今度も、娘の気持ちをしっかり聞きながら、成長を見守っていきたいと感じた出来事です。
著者:吉田あいこ/30代・主婦。幼稚園年長の女の子を育てるママ。産後すぐに夫の転勤で引っ越があり、怒涛の日々を過ごす。ワンオペの疲れを癒やすべくパン屋さん巡りにハマり、今は作ることが楽しみ。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)