私を無視する義母と義姉
とある週末、義母から食事会をすると言われ、夫と義実家に向かいました。義実家には、義母のほかに最近離婚して双子の息子と戻ってきた義姉が住んでいるのですが、どちらも私のことを家族とは認めていません。
義実家に到着すると、義母も義姉もまるで私のことは見えていないかのように無視。義姉の子ども、スグル君とミツル君だけが私に挨拶をしてくれました。意地悪な義姉に反して、2人とも本当にいい子です。
私のことを無視するくせに、義姉は自分に都合がいいときだけはニコニコ顔。預け先がないと、すぐにわが家に双子を連れてやってきます。
とはいえ、双子は本や学習ドリルを持参していて、私の生活に大きな支障はありません。双子はとてもかわいいので、義実家では彼らの存在が救いになっています。
私は「家族」じゃないの?
「さあ、食事にしましょう!」と義母が言い、食事をテーブルに運び始めました。しかし、テーブルには5人分の料理のみ……。
スグル君が「1人分足りないよ?」と言うと、義母は「食事は家族の分だけ用意しているのよ」とニッコリ。これはいつものことなので私は慣れていますが、毎回双子が義母に訴えてくれたり自分たちの分を分けてくれたりするのは胸が痛みます。
さらに、義母にとって私は「家族」ではないけれど「嫁」ではあるようで、食事を済ませた後の片付けは私の仕事だと言います。
あまりにも理不尽な扱いに我慢できず、夫に不満をぶつけたこともありました。しかし「子どもが産めないのだから我慢しろ」と言います。こんな思いをするなら、いっそのこと離婚したほうがラクかもしれないと考えるようになりました。
義母に仕返し!
ある日、わが家に預けられた双子から、ある相談をされました。双子も悩んだに違いありません。私は、双子の幸せのためにひと肌脱ぐことを決めました。ついでに私の日ごろの恨みも晴らせるかもしれません!
決戦はいつもの義実家での食事会。義母が作る料理は、いつものように私の分だけありません。
「家族の分だけでごめんなさいねw」と義母。そこで私は「大丈夫です! 自分で作るので!」と言い、張り切ってマイ包丁とエプロン、そして家から持ってきた超高級肉と新鮮な野菜を用意して、義実家のキッチンで料理を始めました。
あっという間においしそうなステーキのプレートが完成。まだ料理人だったころの腕は衰えていません。「いいな~! おいしそう~!」と双子が褒めると、義母はおもしろくなさそうな顔をしていました。
私が作ったのは二人前の料理です。夫は自分の分だと勘違いしたのか、お皿に手をのばします。そこでサッとお皿を遠ざけた私。この料理は「家族ではない人」のために作ったものです。
双子の願い
ちょうどそこで玄関のチャイムがなりました。やってきたのは双子のパパです。以前交換した連絡先を掘り起こし、私が呼びました。
実は双子は「やっぱりパパと暮らしたい」と私に相談してくれたのです。「ママならどこにでも連れて行ってあげるよ!」という義姉の言葉を信じて、ママについていくと決めたのに、実際は自分たちのことなど見向きもしないと淋しそうにしていました。
元義兄に連絡をしたところ、すぐに連れ戻したいということで義実家に集合したというわけです。
「お招きありがとうございます」と言って私の料理を食べた後、義兄は親権を取ると義姉に宣言しました。すると義姉は「養育費と生活費はどうなるの?」と絶叫! 逆に養育費を請求すると言われ、呆然としていました。
義兄は双子が不自由しないように、高額なお金を毎月渡していたそう。遊んで暮らせなくなるとわかった義姉は何度も謝っていましたが、双子の意思が変わることはありませんでした。
夫・義母・義姉のその後
私が裏で手を引いていると思った夫は「子どもも産めない女が出しゃばるな」と暴言を吐きます。もちろん私もその場で離婚を宣言。今暮らしているのは私の両親のマンションなので、すぐに出ていくように告げました。
その後、無事に離婚が成立。元義家族の面々は元夫の少ない稼ぎでは生活を維持できず、あっという間に借金生活に突入したと噂で聞きました。
一方双子は、元義兄の実家でやさしい祖父母にかわいがられながら暮らしているそうです。この先私が子どもを持つことはないかもしれませんが、私を母のように慕ってくれる双子がいるので淋しくありません。彼らの成長を見守れることに幸せを感じています。
血のつながりのない元甥ですが、かわいいと思う気持ちはわが子と同じ。子どもの成長には、たくさんの大人の手助けと愛情が必要です。淋しい思いをした双子が、健やかに成長できることを願います。