出産予定日の3カ月前に突然の入院
妊娠27週を過ぎたある日。おなかの張りを感じつつ妊婦健診に行くと、双胎間輸血症候群(※)と診断され、そのまま入院となり、4日後に帝王切開で出産することになってしまいました。
出産予定日よりも3カ月も早く出産することとなり、私は混乱しましたが、一方で実感が湧かず、「案外もう少しおなかに留まってくれるんじゃないか」などとも思っていました。
入院翌日は平和に過ぎていきました。日中は採血や点滴、エコー検査などで忙しく、夜は仕事帰りの夫と双子の名前を決めたり、役所の手続きについて話し合ったりしていると1日があっという間に過ぎ、病院食もおいしく食べることができました。
(※)双胎間輸血症候群(TTTS):一絨毛膜双胎(ひとつの胎盤を胎児2人が共有している双子)のみに起こる特殊な病気。胎盤でつながっている血管を通じて、互いの血液が胎児の間を行ったり来たりしています。この血液の循環のバランスが崩れたときに双胎間輸血症候群を発症します。
想像を絶する過酷な4日間
ところが、2日目以降、私の体調は急激に悪化していったのです。おなかが張り過ぎて、息をするのも苦しくてたまりません。医師に診てもらうと、双胎間輸血症候群の影響で、羊水がどんどん増えているとのこと。上腹部が圧迫され、呼吸がしづらくなっていたのです。
さらに、体の節々が痛み、立ち上がることも難しく、食事も喉を通りません。当初「少しでも赤ちゃんをおなかの中で育てたい」と思っていたのに、気が付けば「早くこの苦しみから解放されたい」と思ってしまうほどにつらかったのを覚えています。
苦しさで夜は眠れず、私は丸2日間徹夜した状態で帝王切開に臨むことになってしまいました。医師の見立て通り、私の体はちょうど4日間で限界を迎え、出産することになったのです。
その後、なんとか無事に双子を出産することができた私。しかし、手術を終えて母子健康手帳に書き込まれた「出血量」欄を見て仰天しました。なんとその量6L! 帝王切開のため羊水込みの出血量が書かれていたのですが、その桁違いな量に「そりゃ苦しかったわけだ!」と思わず納得してしまったのでした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:木下うめ子/30代女性/2018年生まれの双子ママ。自閉症の双子のサポートに日々奮闘中。管理栄養士の資格を持っており、食べることが大好き。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)