「あなたの夫、知らない女性と腕を組んで歩いてたのよ!」と幼なじみ。夫は、今夜は仕事の接待で遅くなると言っていたのですが……?
本当に夫だった?
「そんな……その人、本当にうちの夫だった?」と問うと、幼なじみは「信じたくない気持ちはわかるけど、間違いないわ」と言いました。
ショックを受ける私に、「私もかなりショックだよ……」「2人はすごくお似合いだし、仲睦まじい憧れの夫婦だったのに……」と幼なじみ。
「これからどうしよう……」とぽつりとつぶやくと、幼なじみは「そんなすぐには考えられないよね、でもまずは落ち着いて」「絶対に彼に浮気を問いただしちゃダメだからね!」と言ってきました。
夫が帰り次第、真相を聞き出すつもりだった私はびっくり。しかし、「確実な証拠もない状況で問い詰めるのは得策ではないわ」「むしろ浮気がバレるかもって警戒されて、証拠も探しづらくなっちゃうかも」という幼なじみの考えにも一理あると思い、とりあえずは幼なじみの言うとおりにすることに。
幼なじみとの電話を切り、私は目をつぶってこれからどうすべきか、そして帰って来た夫をどう出迎えるかを一生懸命考えました。
幼なじみからのアドバイス
1カ月後――。
夫の浮気現場を見かけるたびに連絡をしてくれる幼なじみ。
その日は唐突に、「ねぇ、離婚とか考えてるの?」「あなたの夫、だいぶ相手の女性に夢中になってるみたいだけど……」と言われました。
私に仕事だと嘘をついて会いに行くぐらいの相手なのです。私よりもその浮気相手の方を愛しているのでしょう。そのころには、もう離婚しかないかな、と諦めにも似た気持ちを抱いていました。
「もう離婚するしかないのかなって思ってる」「まずはいい弁護士さんを見つけて、相談かな」と言うと、幼なじみは「離婚するなら弁護士は使わない方がいいって聞いたことあるよ、だからやめた方がいいと思うな」と言ってきました。
「慰謝料とかお金のこともあるし、第三者を入れた方がいいんじゃないの?」と聞くと、「慰謝料もできれば請求しない方がいいらしいよ!」と幼なじみ。
「お金のことになるとかなり揉めるし、弁護士費用もかさむし、無駄に長引いちゃうんだって」「興信所も調査をするだけで、確実に相手を突き止める保証はないみたいだし」「こういうときうはとにかくパッと離婚して、早く新しい人生を歩き始めた方がいいのよ」
できることならお金をふんだくってやりたいと思っていた私は、幼なじみの言葉を聞いて呆気に取られてしまいました。たしかに、お金や時間を使うよりも早く離婚して新しい生活を始めた方がいい、という幼なじみの言い分もわかります。
でも、「なんでも相談してね!」と胸を叩く幼なじみに、なんとなくモヤっとした感情を抱いてしまったのです。
大根役者の末路
1週間後――。
私はふぅーっと息を吐き出して、幼なじみに連絡をし、「私、夫と離婚しようと思うの」と告げました。
すると――。
「浮気されて辛いと思うけど元気出して!」
「きっとまたいい人に会えるから前に進もう!」
「演技はやめたら?」
「え?」
幼なじみの言動になんとなくモヤモヤした私は、幼なじみのアドバイスを聞かずに興信所に調査を依頼しました。すると、すぐに夫の浮気相手が発覚。
夫の浮気相手は、幼なじみだったのです!
幼なじみは私の味方のフリをして、夫と私を穏便に離婚させようと画策していたのです。まさかとは思いましたが、興信所から調査結果を聞いた途端、ショックを通り越して大笑いしてしまいました。
その後は幼なじみのアドバイスをすべて逆手にとって、弁護士さんにも依頼。弁護士さんは経緯を聞いて、「悪質すぎる」「慰謝料もしっかり支払ってもらいましょう」と言ってくれました。
「ちょっと意地悪しただけじゃない!」と言う幼なじみに、「しっかり慰謝料請求するから、耳を揃えて支払ってちょうだいね」と伝えておきました。
その後――。
「遊びのつもりだったんだ」と離婚をしぶる夫にも、私は慰謝料を請求。弁護士さんの活躍もあって、無事離婚することができました。結局、夫と幼なじみは結婚には至らなかったようです。
私は夫と幼なじみからの慰謝料を元手に新天地へ。今までは専業主婦でしたが、学生時代の知識を活かせる仕事に就くことができました。ブランクは感じますが、毎日刺激的で楽しい日々を過ごしています。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。