家族の分しかない?
顔合わせ場所は素敵なレストラン。人気店なのですが、義母の知人が働いている縁で予約が取れました。
父たちのおかげか、顔合わせは和やかな雰囲気でスタート。食前酒を飲みながら話をしていると、お待ちかねの料理が運ばれてきます。しかし、私の前にだけ料理が置かれません。忘れているにしても妙です……。
義父が確認すると、飲み物のオーダーは人数分、料理はそれよりも1名少ない人数で予約されていたようです。「おひとり、食事の前にお帰りになるとうかがっています」 と言われ、私は反射的に義母を見ました。
すると義母は「あら、ごめんなさい。今日は家族の分しかないのよ」と笑います。それなら、両親にも料理は出ないはず……。母が義母に尋ねると、私の両親は義父の大切な友人夫婦なので、家族も同然だと言うのです。
結婚前から、こんなあからさまで幼稚な嫁いびりをするとは……。結婚生活に不安しかありません。義母の行動に怒りを感じた私たち家族は、帰ろうとして席を立ちました。
家族ではないのは誰?
私たちを止めたのは義父でした。「家族の分だけ頼んだのなら、母さんの分はいらないね」と言います。
憤慨する義母でしたが、義父はこんなくだらない嫌がらせをするような人間は家族ではないと言い、彼もこんな恥ずかしい人間が母親だと思いたくない、と冷たい目で義母を見ていました。
義母は、私に息子を取られると思い、極度な嫉妬をしたようです。言い訳の数々を述べますが、彼は呆れています。母は「子どもの幸せを願うのが親ではないか」と義母を諭していました。
このまま結婚してしまったら、不安が残る……そう素直に告げた私に、義父は「こんな嫌がらせはもう二度とないから安心してほしい」と言ってくれました。さすがの義母も、反省を口にし、嫁姑の関係をうまくやっていけるように努力をすると頭を下げます。
息子大好き義母に出した条件とは
一度は不安に思ったものの、義父のことは信頼でき、彼自体には何の不満もありません。私は結婚を決めました。
家に帰り、義父と義母はたくさんの決め事をしたそう。息子夫婦に干渉しない、自分の価値観を押し付けない、嫁も家族として大切に接する……など、これらをきっちり守ってもらえれば、不安はありません。
約束を破ったら、義母は金輪際息子に会えなくなるそう。息子が大好きな義母のことなので、そうならないように約束は守ることでしょう。
その後、私たちは結婚し幸せに暮らしています。顔合わせは本当に嫌な思い出ですが、今思えば早い段階で義母を抑えることができてよかったと思っています。人知れず嫁いびりなどされたら、たまったものではありませんから……。
結婚は、本人同士のみならずそれぞれの家族同士の関わり合い。義理の家族との関係性は、結婚生活の幸福度に大きく影響するでしょう。嫉妬する対象として見るのではなく、互いを思い合える関係性を築けるといいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。