要介護の父親を見捨てた兄から突然の連絡「葬儀は終わったか？」ある事実を告げると兄が真っ青に

 

3年前。兄は、酒造の作業中にけがをして要介護になった父を捨て、会社の立て直しに尽力することもなく、義姉と子どもまで裏切って浮気相手の女性のところに走ったのです。その挙句、家族からの連絡にも一切答えず、音信不通になっていました。

 

ところがある日突然、「父さん、ようやく逝ったんだってな」と私のところにその兄から連絡が。さらに驚いたことに……。

 

「父さんの葬儀は終わったか？」 

 

「遺産の分配は長男の俺が決めるから！」 

 

「勝手なことすんなよ？」

 

「葬儀なら1年前に終わったよ」

 

これにはあ然とするしかありません。私は努めて冷静に返信しました。

 

すると兄は、父の最期について聞くこともなく、「それより遺産だ、1年も前なら配分も終わっただろ？ 俺の遺産はいくらだ？ 連絡くらいよこせ」と言うのです。

 

そもそも私や義姉の連絡先をブロックしたのは兄。それに父は遺言状に「長男には一銭も相続しない」と明記していたのですが……。

 

「それを聞いて俺が引き下がると思うなよ。俺はお前と違って優秀なんだ。遺言がどうだって、実子には遺留分があるんだからな！」

 

やはり兄は一筋縄ではいきません。そこで俺は、もう1つの真実を話すことにしました。

 

「兄さんには遺留分もない。父さんさ、兄さんの相続人の廃除を申し立てたんだよ」 

 

「何だって！？」 

 

実は父は、兄が出て行くまでひどい仕打ちを受けていました。おむつは着けっぱなし、風呂にも入れてもらえず、食事も用意してもらえなかったようです。 さらには、手を上げられたことも……。父は、そういう兄を相続人から廃除することに。それが家庭裁判所で認められたのです。

 

「俺はどうすればいいんだよ！ 遺産を当てにしていたのに！」とわめく兄でしたが、私の知ったことではありません。 

 

「ああ、そうそう。義姉さんへの慰謝料と子どもの養育費。これも未払いだって？ 連絡があったってこと、義姉さんに伝えるから……」と言うと、その後はぷっつりとやりとりが途絶えてしまいました。

 

その後兄は、不倫相手の配偶者から請求された慰謝料の支払いを含め、あらゆる金策のために四苦八苦しているようです。私のほうは、一念発起して家業の酒造を再開。父からの遺産を有効活用できました。いつか父のような一流の酒を造れるよう、社員たちと頑張っていこうと思います。

 

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身勝手に父親や家族を捨て、弟に押し付けて家を出て行った兄。お金に困って舞い戻ってきた挙句、遺産には遺留分があると高飛車な態度でしたが、父は生前にそうなることを防止していたのですね。弟はその遺産で家業を再建でき、あの世にいる父から見てもスッキリな展開でしたね。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。