タワマンに引っ越したら庶民とは絶交!
そんなセレブママの最近の自慢は、駅前のタワマンに引っ越すこと。鼻高々で、会う人会う人に言いふらしているのです。
ひとしきり自慢したあとは「これからは住む世界が違う。私たちが引っ越したら、もう友だちだと思わないでね」と一方的な絶縁宣言! 絶交は歓迎しますが、“住む世界”で人を区別するのは心外です。
それに私やママ友は、ある重大なことを彼女に隠しているのです。
セレブマウントママの引っ越し先は…
セレブママの引っ越し当日。満面の笑みで引っ越しのトラックを迎え入れているところを目にしました。
私とママ友はそのすぐ横を通ったのですが、引っ越し以降は友だちだと思わないようにと言われているので、敢えて声はかけず、みんなが集まるいつもの共有スペースでおしゃべりをすることにしたのです。
すると、セレブママがいそいそと近づいてきました。タワマンでセレブ友だちを作ると息巻いていたので、きっとママ友になろうとしているのでしょう。
「初めまして〜15階に引っ越してきたカワノです。何階にお住まいなんですか〜?」
ここにきて、何よりも先に居住階を聞くとは……彼女のことなので、住んでいる階でマウントを取ろうとしているのでしょう。
振り返った私たちを見て、セレブママはびっくり!「なんでここに!!」と言葉を失っていました。そう、私たちは彼女が引っ越してきたタワマンの住人だったのです。
マウント気質は変わらない!?
「ようこそ〜」と私たち。聞かれていた居住階に関する質問にも答えておきました。
私が住んでいるのは15階よりもさらに上の高層階。するとセレブママは手のひらを返したかのように「心細かったから嬉しい! これからもよろしくね!」と猫なで声で話し始めました。
しかし私は見逃しません。ひとりだけ彼女よりも少しだけ下の階に住んでいるママがいたのですが、セレブママは彼女だけは見ず、話もふらないのです。マウント気質はこれからも変わらないと確信したのでした。
私は「引っ越したら、もう友だちじゃないって言いましたよね。私たちとてもショックでした。また引っ越しをするときに同じことを言われたら悲しいので、お付き合いは控えさせてください」とにっこり。
彼女を置いて、それぞれの家に戻りました。
セレブ気取りのママ…その息子は…?
目に見てわかる高級品を身につけたり、敢えてタワマンに住んでいることをアピールしたりせずにいた私たち。セレブママはそんな私たちを、自分より貧乏で、タワマンになんて住んでいるわけがないと決めつけていたのでしょう。
そもそもそんなことで上下をつけるなど、バカバカしい話です。これからも彼女と付き合うことはないでしょう。
一方、彼女の息子さんと子どもたちは変わらず仲良くしています。幸い息子さんは、彼女に似ずとても素直で良い子。幼稚園でも「タワマンに住んでいるから〜」といったマウント発言は一切なく、分け隔てなく過ごしているようです。
彼にはそのまま大きくなってほしいと願うばかり。近所のおばちゃんとして、これからも彼の成長を見守っていたいと思っています。
華やかな持ち物や高いステータスがあっても、必ずしも豊かであるとは言えません。お金では手に入らない人と人とのつながりややさしい心があってこそ、豊かだと言えるのかもしれませんね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。