付き合いにくい先生
ほかの家事や育児は一切ノータッチですが、幼稚園の送迎だけは大張り切りの夫。忙しい日も雨の日も、欠かさず行ってくれるのは意外でした。
私が久しぶりに幼稚園に出向いたのは、夫が送迎を始めて数カ月後のこと。風邪で寝込んでいる夫に代わって、私が娘を連れて幼稚園に行きました。かなり時間が経ったので、先生とのわだかまりもなくなっているはず……。
しかし先生はまったく変わらず、私のことをきらいだという態度が全身から感じられます。むしろ長い間避けていたせいか、余計私への怒りがエスカレートしているようにも感じられました。
この様子だと、先生は夫にまで嫌味を言っているかもしれません。夫に尋ねてみると、やはりそのようです。「面倒くさくて参っちゃうよ」と、笑っていました。
夫が遅刻をする原因
風邪が治った夫は娘の送迎を再開し、穏やかな気持ちで過ごせる毎日が戻ってきました。しかしそんな矢先、同僚から最近夫が遅刻ばかりしていると聞いたのです。
先生が嫌味を延々と言い続けるせいで夫が遅刻しているのではないか? という考えが頭をよぎります。急いで同じ幼稚園に通うママ友に確認すると、先生と話をしている夫をよく見かけると言います。「込み入った話だから」と夫が裏庭に引っ張っていかれたと証言するママ友もいました。
夫は押しに弱いところがあり、話を切り上げるのが苦手……。話を止めるタイミングが掴めず毎日遅刻しているとしても、夫ならありえない話ではなさそうです。
もしそうであれば、これは大問題! 夫に話を聞くと、私が心配した通りでした。娘を預けたらサッと立ち去るよう忠告すると、「気をつける」と苦笑いしていました。
するとそこに娘がやってきて言いました。「パパは先生と仲良しだから、ゆっくり話がしたいんだよね!」それを聞いて夫の顔がひきつります。「いってきますするとき、パパは裏庭に行って先生にチューしてもらってるもんね!」……これはさすがに私の想定外でした。
子どもはすべて知っている
「パパは日曜日に先生と一緒におでかけするんだよね! ママも行くの?」と私に尋ねる娘。そういえば、週末急に仕事が入ったと夫が言っていたのを思い出しました。娘の言うことが本当なら、夫は嘘をついているのでしょう。
私は真っ青な顔をして慌てる夫からスマホを奪い取りました。すると画面に見えたのは気色の悪い2人のやり取り。夫は私と話をしながらも、先生と日曜のお出かけの計画を立てていたのでした。
夫との離婚は確定として、先生にも制裁を下さなければなりません。私は不貞の証拠を園に提出し、すべてを暴露することにしました。園長先生からの報告によると、先生は私への苛立ちを、夫を誘惑することで晴らそうとしたとのこと。それほど根に持たれていたことにびっくりです。
先生は、仕事は辞めたくないから許してくれと土下座しましたが、許せるはずはありません。結局先生は退職することになったのでした。
のちに聞いた話では、些細なことでトラブルになり、先生から嫌な対応をされていた保護者は私だけではなかったよう。退職を喜ぶ声がところどころであがっていました。
そして、そんな女性に誘惑されるなんて、わが夫ながら情けない限りです。見切りをつける良いきっかけになりました。
夫や先生は、まわりにいるのが幼い子どもだからといって甘く見ていたのでしょう。しかし子どもは、大人の想像以上に物事をよく見ています。 大人の嘘やごまかしは、すぐに子どもに見破られてしまうでしょう。
子どもたちの前では特に、誠実で正直な行動を心がけたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。