婚約者の家の玄関に入った私に、「どうせ金目的なんでしょ!」「そんな女は我が家に一歩たりとも入れてあげないんだから!」と突然怒鳴ってきた義姉。
私は結婚の挨拶もできないまま、義姉に追い出されてしまいました……。
義姉が私を目の敵にしているとんでもない理由
玄関でのドタバタ騒ぎに気付いたのか、すぐに婚約者が私の後を追いかけてきてくれました。
「姉さんがひどいこと言ってごめん!」とひたすら謝る婚約者。
私が「どうしてあんなに結婚に反対するんだろう……」とつぶやくと、婚約者は「姉さんは昔から自分勝手でさ……」と事情を教えてくれました。
ご両親に甘やかされて育ったという義姉。成人してだいぶ経つはずですが、一度も働かないままずっと家に引きこもっているのだそう。そして未だにご両親に生活費からお小遣いまで出してもらっているのだとか。
「姉さんが君のことを目の敵にしてる理由も、ちょっととんでもなくて……」「最近、自分のお小遣いが減ったのを君のせいだと思い込んでるみたいなんだよ」「君がうちの両親にお金を無心しているってね」
私は婚約者のご両親どころか、婚約者にもお金をねだったことは一度もありません。私があ然としていると、婚約者は「姉さんの誤解は俺が絶対に解いてみせるから、このまま婚約を継続してください」と頭を下げてきました。
もちろん、私も婚約を破棄するつもりはありませんでした。「またあらためて、ご両親へのご挨拶の機会をつくってもらえる?」と言うと、婚約者はうれしそうにうなずいたのでした。
再び玄関に立ちはだかる義姉に、お金目的ではないと伝えた結果
1カ月後――。
再び、私は婚約者の家の前にいました。玄関には予想通り、義姉の姿が。
「会社を継ぐ弟と結婚なんて許さないから!」
「我が家の資産は私の物よ!金目当ての貧乏人は帰れw」
「は?お金なんてないでしょ?」
「え?」
そう、義姉は実家の経営状況がまったくわかっていなかったのです。会社は順調なときもあれば、傾くときもある。婚約者の両親も、そして婚約者自身も経営が厳しいことを再三彼女に言い聞かせていたそうですが、聞く耳を持たなかったそうです。
他人の私から言われて、ようやく耳を傾ける気になったのでしょう。
「経営状況が厳しいなかでも、私の実家の会社だけは取引を続けてたっていうのに……こんな仕打ちをうけるなんて」と私が言うと、「えええ、実家が会社経営ってことはあんたも社長令嬢なの!?」と義姉は大焦り。
「はい、でも父とは別に自分で小さな会社を立ち上げて、私自身日々経営者としてがんばっています」「お互いの実家は関係なく、弟さんとは経営者交流会で出会って付き合い始めたんです」「お金は自分で稼いでいますし、お金目的での結婚ではありません」そう私が伝えると……。
「ほ、本当に我が家の資産目的じゃないのね……?」と義姉。しかし、すぐに「貧乏人ではないみたいだけど、やっぱり生意気でムカつくから弟との結婚は認めない!」と言われました。
「ここまで説得しても認めてくれないなら、諦めて婚約破棄します」「結婚後、私の実家からそちらに資金援助する予定でしたけれど……こちらもすべて白紙に戻しますね」と言って、私は引き返しました。
私の出した答えと義姉の末路
3日後――。
「お姉さんが直接謝罪に来ない限り、婚約も資金援助も保留にする」と父から婚約者の実家へ伝えてもらったこともあり、私の実家に義姉が渋い顔で謝りに来ました。
婚約者によると、この度のことで婚約者の両親も義姉を甘やかしすぎたと後悔したのだそう。彼女がうちに謝罪に来ている間に、彼女の荷物をすべてまとめて外に出したのでした。
そして、実家から追い出されたことに気付いた義姉は、私に怒りの電話をかけてきたのです。
「あんたにちゃんと謝りに行ったじゃない!」「何よこの仕打ち!自立しなさいって急に言われたって無理よ!」「そうだ、結婚を認めてあげるんだから、あんたからとりなしてくれない?」
全然反省をしていない義姉の姿に、私は呆れ果てました。私が「お義姉さんが変わらないのであれば父の考えは変わらない」と言うと、「じょ、冗談よ!」「私だって一人暮らしくらいできるんだから!」と息巻いていました。
その後――。
ご両親のお金を湯水のように使っていた義姉の一人暮らしは、とんでもないことになっているそう。実家に毎日のように金の無心が来るそうですが、ご両親は心を鬼にして突っぱねているそうです。
そして、私は無事に婚約者と結婚。婚約者からも義実家からも「義姉には関わらなくいい」と言ってもらえているので、穏やかな新婚生活を送っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。