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「婚約者、奪っちゃった♪」元親友から送られてきた写真。でも見覚えはなく…「…それ、誰?」

8年前の大学生のころ。私には同じサークルだった彼氏がいました。そんな彼との関係はある出来事で終わることに。なんと、同級生のN子に彼氏を略奪されてしまったのです。親友だと思っていたN子の行動にショックを受けた私でしたが、ちょうど就職活動の時期だったこともあり私はそちらに専念。2人とは距離を置いて過ごしていました。そのおかげか、就職先も見つかり私は大学を卒業。その後も2人と会うことはなかったのですが……。

誰? 知らない相手からメッセージ

仕事にまい進する日々を送っていたある日、知らない連絡先から1通のメッセージが届きました。メッセージには「覚えているかしら? 8年前に一度会っているんだけど」と書かれていましたが、まったく思い出せず……。

 

正直に伝えると、「8年前、息子と付き合っていたでしょう? その息子の母親です。実は息子の連絡先から結婚相手を探しているの。あなたは選ばれた人間よ」と唐突に言われて、私はあ然としてしまいました。

 

どうやら連絡をしてきたのは、8年前親友と浮気して私を振った元彼の母! 「結婚相手を探している」と言いますが、私には何がなんだかわかりませんでした。

 

息子をごり押しする元彼の母親

元彼の母は続けて、「息子は男としての魅力満載だと思うの。見た目も悪くないし。なのに30歳を目前にしても結婚の「け」の字も出てこなくて……適齢期っていうの? 心配でこうやって手伝ってるというわけ。あなた、まだ結婚していないわよね? うちの息子と結婚しない?」と言うではありませんか。

 

理解しがたいメッセージの数々。イチからツッコんでいたらキリがありません。私は彼女に「私は、あなたの息子さんに浮気をされた身です。不誠実な人と結婚を前提にやり直すつもりはありません。N子さんとは別れてしまったのでしょうか? というか、そもそも私には婚約者がいますのでお断りします」とだけ伝え、連絡先をブロックしたのでした。

 

私は彼をN子に略奪されてからの8年でいい人と出会い、結婚するための準備を進めていたのです。

 

略奪女「結婚するの?w」

それから1カ月も経たないうちに、今度はN子から「あんた、結婚するんだって?」と連絡が届きました。N子には婚約者がいること、結婚することは伝えていません。どこから情報が漏れたのでしょうか……。

 

N子から「親友に結婚式の招待状はないの?」と聞かれたので、「親友……? もうとっくにあなたとは縁を切ったつもりだったけど。一応答えるわ、ないわよ。式は挙げない予定だから」と伝えた私。

 

するとN子は「相手がイケメンじゃないから恥ずかしくて結婚式を挙げないんでしょう? バカにされるのが怖いんだ」などと言い始め……。

 

さらに「私より先に結婚するとかすごい癪なんだけど」と言い始めたので、相手にするのをやめた私は連絡を一方的に区切ることにしたのです。

 

N子が結婚する相手は一体誰?

その後、N子から連絡が届くことはありませんでしたが、しばらくしてN子から突然、「私、結婚するかも~」とメッセージが届きました。

 

N子からは続けて「あんたが呼ばない代わりに私が結婚式に呼んであげる♡ 美人とイケメンな旦那様が並ぶ結婚式は目の保養よ♪」と浮かれたメッセージが送られてきます。

 

「結婚するの。おめでとう。式への参列は辞退するけど」と冷静に返事をすると、N子は「あんたは出たいって言うはずよ。だって、旦那様になる人ってあんたの婚約者だから!」と言い放ちます。私はN子の言っている意味がわかりませんでした。「え? 何言ってるの?」と聞くと、「偶然あんたの婚約者だって言う人と出会ったのよ。話していたら意気投合して、また奪っちゃった♪」と言われ……。

 

何の冗談?と思いながら聞いていました。それでもN子はうれしそうに「それからあれよあれよと結婚の話まで進んじゃってね♪ 明日から彼と彼のご両親と旅行なの♡」と浮かれて話しています。

 

その話を聞いて、私は絶対に婚約者は略奪なんてされていないと確信しました。N子には「彼に両親はいないけど?」と伝えると……。「え?」とだけで、N子からのメッセージが途切れたのです。

 

「だから、私の婚約者に両親はいないの。数年前に交通事故で亡くなっていてね。だから式は挙げずに、海外で2人だけのささやかなパーティーをすることにしたの」

 

「何言ってんの…?じゃあ私は誰と結婚するって言うのよ!?」

 

N子は慌て始めますが、私の婚約者は私の隣にいますし、私のほうこそなんのことだかさっぱりです。

 

N子は、「この人よ!!」と言って彼であろう人とのツーショット写真を送ってきましたが、それを見ても誰だかわかりませんでした。いよいよ怖くなってきた私たちでしたが次に送られてきた写真に見覚えのある人物が写っていて……。

 

写真に写っていた人の正体

そこには、N子の夫であろう人と、そのご両親であろう人が写っていました。そして、その女性が8年前付き合っていた元彼の母にそっくりだったのです! N子にそのことを伝えると……。

 

「はあ? 私だって元彼の顔ぐらい覚えているけどこんな顔じゃなかったはずよ!」とにわかには信じがたい様子。私も元彼の顔は覚えていますが、たしかに写真に写る男性は元彼ではありません……。

 

そのとき、私はハッと、元彼の母から連絡がきたときのことを思い出したのです。

 

「そういえば、N子のことを話したとき、“顔が好みじゃない”、“奪ったら興味がなくなった”って言われて息子は1カ月で捨てられたって言ってたっけ」。

 

ということは、息子と結婚させるためにわざわざ息子の容姿を変えて、さらには私の婚約者とまで嘘をついて、それを信じたN子を略奪させるよう仕向けたということ……?

 

N子に私の考えを伝えると、「本当に8年前に捨てた元彼ってこと!? 確認してくる!!」と焦りながら連絡を区切られました。

 

N子から嘆きの連絡

数日後、N子から「どうしよう!! やっぱり婚約者、元彼で合ってた。こんなことになるなんて……」「いつの間にか同居も決められているし、最悪!」「こんなマザコンだったなんてあんたから略奪したときは知らなかったし!」と立て続けに連絡が届きました。

 

「息子と結婚させるためにわざわざ息子の容姿を変えて、さらには私の婚約者とまで嘘をついて、それを信じたN子を略奪させるよう仕向けた」という私の推理は当たってしまっていたのです。

 

わーわー文句を言うN子を憐れむ気持ちはあれど、同情はできませんでした。

 

「実は8年前、元彼とは別れようか迷っていたときにあなたに略奪されたの。彼のお母さんは当時から彼にべったりだったのよ。デートについてきて食事代は出してくれたけど、結婚の話や彼の小さいころのエピソードを延々話されて疲れることも多かった」「最終的には彼のことを私がどれぐらい愛しているかチェックするためのクイズまでされたの。それで社会人になってもこの人と付き合っていくのは難しいかもしれないなと思っていて……。彼もお母さんの言うことは絶対って感じだったしね」と教えてあげました。

 

N子は「そんなの嫁になったら地獄じゃん……。私の味方、誰もいないじゃない!」と現実に絶望したようで……。

 

私は「悪いけれど私にはどうすることもできないわ。自業自得。二度も同じことをしようとする人と今後一切かかわりたくないからブロックするわね」とだけ伝え、連絡先をブロックしました。

 

その後…

後から聞いた話ですがN子は大学時代、就活と資格取得のため両親から仕送りしてもらっていたらしいのですが、ちょうど私から彼氏を奪ったころで、すべて遊びに使い切ってしまったとか。そのせいで両親から勘当されていたそうです。

 

だからか、N子は頼る人はおらず、結局離婚もできないまま結婚生活を送っているのだとか。

 

私はというと、面倒な話が終わりすがすがしい気持ちで新婚旅行に行けそうです。2人だけの結婚パーティーを楽しみたいと思います!

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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