結婚式の日は土砂降りの雨。不吉な予感がしました。じつは、前日から婚約者と連絡が取れなくなっていたのです。挙式直前になって彼からメッセージが入ったのですが、ただひと言「結婚できない」と……。そんなとき、妹からまた連絡が入りました。
婚約破棄になったのは、すべて妹のせいでした。「私のほうがかわいいから、仕方ないじゃん」と自慢げに言う妹。婚約者を略奪して有頂天!? 挙げ句、私が美人だからいけないんだと言いだして……。怒りを通り越してあきれました。
落ち込んでいる私に母が…
あれ以来、婚約者だった彼からは何の連絡もありません。義母になる予定だった彼のお母さんからは謝罪の連絡をいただきましたが、何だか申し訳なかったです。悪いのはあの2人ですから……。
結婚を機に独立するつもりだった仕事、退去する予定だったこの部屋……。実家でゆっくりしてはどうかと母が声をかけてくれました。荷造りも手伝うわよ、と……。
私と一緒になって結婚式の招待客に連絡をしたり、謝ったりしてくれた母。迷惑をかけっぱなしで、心苦しいです。「ごめんね、お母さん」私は人を見る目がなかった、と後悔しかありません。
母は私が謝る必要はないと言い、あの2人は地獄に落ちるから大丈夫となぐさめてくれたのでした。地獄に落ちたような状態は私のほうですが……。頼りになる両親のもと、私は1年ゆっくりと心と体を休めました。
婚約破棄から1年、妹から連絡が…
ようやく心の傷も癒えてきたころ、思わぬものが私のもとに届きました。
「お母さん、妹から結婚式の招待状が届いたよ」
「人の婚約者を奪っておいてどういうつもりなんだろう……」
妹は私たちが出席するはずないとわかっていて、わざと送ってきているはず。しかし、母は……。
「私は喜んで出席するわ♡」
母の言葉に、私は驚きを隠せませんでした。楽しみにしていたと言う母の言葉の真相とは、一体……。
さらに驚くことに、母は私にも出席を促したのです。地獄に落ちる2人を見にいこうと……。
そして、結婚式当日。前代未聞の式になりました!なんと、新郎新婦の親族たちはみんな喪服姿で出席し、しかも途中で帰宅。式をぶち壊されたと、妹から苦情がきましたが、最初に式をぶち壊したのはそっちです。しかも、私のほうは当日キャンセルになったので、支払った費用は一銭も返ってきませんでした。
そもそも妹が私たちを呼んだのは、不純な動機からです。みんなに自慢するため盛大な式をしたかった妹。式自体は最後まで行ったようですが、こんなことになったので怒ること怒ること……。
エリートだと思っていた彼は…
妹は、あくまでも私より上に立ちたいようです。自分には新郎である彼が残っていると大いばり。そこで私は、妹に新郎の秘密を教えてあげました。最近知ったことなのですが、彼、借金があるんです。
彼は見栄っ張りなので、高価なプレゼントをホイホイ妹に与えていたようです。それで妹は、彼がエリートの高給取りだと思ったのでしょう。おそらくそれは、借金したお金で……。彼のお給料は平均的な額だったと思います。
いくら私が教えても、負け犬の遠ぼえだと言って信じなかった妹。ひどい目に遭わされたことは一生忘れない、家族とは絶縁すると言って、妹は電話を切りました。しかし、すぐにまた連絡してきたのです。やはり夫にだまされていたとわかり、一緒に借金返済をしてほしいと頼まれ、実家に逃げ帰ってきたと……。
実家がもぬけの殻なので妹は慌てて連絡してきたのですが、私たちはすでに引っ越し済み。これまで住んでいた自宅を手放し、別の場所で親子3人仲良く暮らしています。それを聞いて、自分も一緒に住むと言ってきた妹ですが……居場所を教えるはずがありませんよね。何度も謝罪してきましたが、簡単に頼ってこないでほしいです。
そして、私は妹の連絡先をブロック。結局、妹夫婦は離婚していないようですが、生活が大変そうだと風の便りに聞きました。人の不幸の上に成りたつ幸せなんて、ありませんよね。
◇ ◇ ◇
結婚前に婚約者の本性がわかってよかったのかもしれません。妹夫婦は自分たちの言動を反省してほしいですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。