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おっぱいが痛い!乳首と乳房の痛みと対策について【専門家監修】

この記事ではおっぱいの痛みについて専門家が解説します。乳首の痛みは赤ちゃんが大きなお口を開けたタイミングを逃さず、深く乳首をくわえさせることが予防になります。おっぱいの張りが強くてつらい場合には、濡れたタオルを乳房にあて冷やすと楽になります。

おっぱいを飲む赤ちゃんのイメージ

 

陣痛の痛みがあることは出産前に分かっていたけれど、授乳によっておっぱいの痛みが生じる場合があることは、産後に授乳が始まってから知ったというママもいると思います。ここでは、おっぱいトラブルでよくある乳首の痛み、乳房の痛みについて、お話します。

 

乳首の痛みと対策

母乳育児をしていくうえで多くのママが体験する乳首の痛み。原因のほとんどは、赤ちゃんが乳輪を含め、深くまで乳首をくわえられていないためです。まず、おっぱいを飲ませる前に乳首をやわらかくするマッサージをおこない、少しでも赤ちゃんが深くまでくわえられるような準備をしておきましょう。

 

次に大切なのは、おっぱいを飲ませるときの姿勢です。赤ちゃんのお口がママの乳首の真正面にくるように、赤ちゃんの姿勢を整えましょう。その際、クッションを使って高さを調節してもよいと思います。そして、赤ちゃんが乳首をくわえるタイミングも大切です。赤ちゃんが大きなお口を開けたタイミングを逃さず、深く乳首をくわえさせるようにしましょう。

 

赤ちゃんがおっぱいを飲んでいるときに、赤ちゃんのほっぺがへこんでいたり、チュパチュパ音をたてて飲んでいたりしている場合は、深くまでくわえられていないサインです。このような場合は、一度、赤ちゃんをおっぱいから離して、乳首をくわえさせるところから始めましょう。

 

乳房の痛みと対策

産後、数日すると母乳の生産が本格的になり、おっぱいが張ってきます。赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうことで、おっぱいの張りは軽減し、そしてまた母乳がつくられる……といったサイクルができます。しかし、赤ちゃんが十分に母乳を飲みとれない場合、おっぱいの張りはとれず、緊満した状態となり、痛みが生じます。

 

この痛みは、母乳を出すことにより軽減していきます。授乳間隔が3時間以上あかないように気をつけて、赤ちゃんにおっぱいを飲ませましょう。赤ちゃんが十分に母乳を飲みとれなかったときには、搾乳するというのもひとつの方法です。ただし、母乳の生産がはじまると、出した分だけつくられるようになるので、スッキリするまで搾乳することはせずに、軽くなる程度を目安におこないましょう。

 

おっぱいの張りが強くてつらい場合には、濡れたタオルを乳房にあて冷やすと楽になります。氷を直接あてるなど、冷やしすぎはNGです。また、ワイヤーの入ったブラジャーは避け、やわらかく締めつけないものをつけましょう。お食事のバランスにも注意してくださいね。

 


医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


※参考:ベビーカレンダー「おっぱいの痛み【授乳中のトラブル】」〈https://baby-calendar.jp/knowledge/baby/922

 

体験談

  • 出産をして間もない入院中に乳首が切れてしまいました。授乳するのがつらかった記憶があります。乳首が切れた原因は「赤ちゃんが浅飲み」していることでした。授乳をするときは赤ちゃんに乳輪まで深くくわえさせること。最初は意識しておこなうのですが、時間が経つにつれて浅飲みになっていました。飲み方が浅くなっていると感じたら、いったん乳首からはずして再度深くくわえさせる、また、同じ方向ばかりでなく、いろいろな方向から吸ってもらうように言われました。傷があるうちは赤ちゃんの吸い始めは吸引力が強いため、傷のないほうの乳房から先に飲ませました。また、傷がある部分に赤ちゃんの口角がくる形で飲ませると、授乳時の痛みが和らいだように思います。授乳後は馬油などで保湿ケアをすると、治りが早くなりました。傷が痛くてつらい場合は、搾乳器をつかって乳首を休ませたこともあります。(田中由惟さん)
  • 産後3日目くらいになると母乳はどんどん作られ始めるのに、出にくい状況が続き、胸はどんどん張ってカチカチになり、私は痛くて眠れませんでした。張りをなくすため、授乳前に痛みに耐えておっぱいマッサージを行い、その後は赤ちゃんにもがんばってもらってどんどん吸ってもらいました。赤ちゃんの吸う力が強くなってきて、胸の張りも少しずつ和らいできたころに起こった次のトラブルが「乳首の痛み」です。乳首全体が赤くヒリヒリして血が出そうになったり、水疱ができたりしました。赤ちゃんが吸ってるときはもちろん、服で擦れるだけで激痛が走り、このトラブルには長期間悩まされました。赤ちゃんの口を大きく開けて乳輪全体を口にくわえて深く吸ってもらうようにしようとしても、始めのうちはなかなかうまくいかずに傷ができてしまったのです。そこで私が試したのが乳首の保湿です。私が使っていた保湿剤は「ランシノー」というクリーム。ワセリンのようなテクスチャーで保湿効果が高く、においはありません。授乳時にはふき取り不要で、何より値段がお手ごろで重宝しました。現在は生後7カ月になり、まだ私は時々おっぱいトラブルが起こります。でも、そんなときは授乳をお休みしてミルクを併用することで乗り切っています。母乳にこだわりすぎず、がんばり過ぎないということも大切だと思っています。(林真由美さん)

  • 私は出産後、すぐに母乳がたくさん出る体質でした。ほとんどの人が最初の数日で治まる胸の痛み。ですが、私はその後、断乳するまで1年以上張りと痛みが続いていたのです。 毎日3~4時間でやってくる張りと痛み。育児にストレスはありませんでしたが、唯一の私の悩みがおっぱいでした。赤ちゃんの飲む量と母乳の出る量のバランスの取れていなかったようです。そこで直母でうまく飲めていないときは搾乳器でしぼって飲ませていました。後半になって授乳時間ではないのに痛くなったときは少しガス抜きをするのに使っていました。ただ、しぼりすぎるとまた張ってしまうので、しぼりすぎないようにしました。痛みや張りとうまく付き合っていく方法を探るのが大切だと身をもって実感しました。(mingoさん)

 

おっぱいが痛いとママは授乳時間がつらく感じると思います。早めに母乳外来を受診するのもひとつの方法です。乳首が傷ついたりおっぱいが張って痛むときには、まず授乳姿勢を見直してみるとよいかもしれません。ママと赤ちゃんがお互いに慣れてくるまでは少し時間がかかる場合があります。それまでは、おっぱいを搾って飲ませたりミルクを取り入れるなど、いろいろ工夫して痛みを解消しながら授乳が続けられるといいですね。

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