お弁当の行方
嫌な予感がぬぐえなかった私は、翌日も会社の近くを通ってみることにしました。すると案の定、 外で昼食を買っている夫を目撃。夫に声をかけると、前の日と同じようにお弁当を落としてしまったと言います。
夫が何かを隠していることは明白です。私が不可解な顔を見せると、夫は諦めたようで、ことの真相を話してくれました。
どうやら私が作ったお弁当は、後輩の女性にあげたよう。夫曰く、後輩は少し前に離婚したそうで、寝る間も惜しんで働きながら、幼い娘さんを育てているのだと言います。家計が苦しく、毎日お昼を抜いている姿を見て、毎日せっせと渡していたのだとか……。
しかし後輩のことを話す夫を見ていると、なんとなく職場の先輩と後輩という関係性とは思えません。これは妻の勘。決定的な証拠はないのですが……。
開き直った夫
それ以来夫は開き直ったようで、後輩が喜ぶような弁当を作ってほしいと言います。なぜ早起きして他人のための弁当を作らなければならないのでしょう……。しかし、なんとなく拒否できず、翌日から気合を入れて後輩の分までお弁当を作ることにしました。
さらに夫は、後輩を支えてあげたいと言い始め、帰りが遅い日が続くようになりました。これにも納得ができません。
ある夜、娘を実家に預けてこっそり夫の会社の前に行くと、夫はナナエさんと親しげに話しながら、夜の街に消えていきました。そのまま会社の前で呆然としていると、夫の同僚に遭遇。なんだか気まずそうな顔をしていたので、挨拶がてら話しかけると、私は衝撃の事実を聞かされました。
なんと夫と後輩は社内で公認カップルになっているそう。私は作ったおそろいの弁当は後輩が作ったことになっていると言うから驚きです。同僚が気まずそうにしていた理由がわかりました。
社内で私は、“夫に彼女がいることを認めている妻”という設定になっていたのです。
「私が悪いの!?」不倫した言い訳に驚がく
後日夫を問い詰めると、ついに不倫関係にあることを認めました。「同情から始まった」「弱さを見せてくれる女性はかわいい」と言い訳をします。
夫は私に「かわいげがなくなったせいで不倫した」と言いますが、おかしな話です。夫のためにと頑張っていたことがアダになるとは思ってもみませんでした。
夫は完全に開き直っており「離婚したくなければかわいげを見せろ」と言い出す始末。それができないのなら、彼女の存在を認めろ・夫婦のカタチも多様性だと言うのです。
なんて都合の良い言い訳なのでしょう。しかし私は翌日からも弁当作りを続けることにしました。
ここからが反撃のターン!
もちろんそのまま泣き寝入りするつもりはありません。夫と彼女を油断させている中で、私は調査会社に依頼し、不倫の証拠集めに奔走しました。
私を舐めているのか、証拠は簡単に集まりました。ここからが私の反撃のターンです。会社にも暴露するつもりでいるし、シングルマザーで困っていようと慰謝料は請求するつもりです。
そんな企みを彼らはまだ知らないはず……。決戦は明日です。そんな気持ちで最後の弁当作りにも気合が入るのでした。
最初は困っている人を助けたいという純粋な気持ちだったかもしれませんが、それをきっかけに、弱さを見せる女性への共感に心を奪われ、不倫という道へと進んでしまったようです。
しかしそれは強くならざるを得ず、自分の分まで子育てをしている妻に対して、あまりにひどい仕打ち……。しっかりと償ってほしいと思ってしまいますね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。