大好きな姉の婚約者・A男
私の顔には大きな傷があります。これは10歳のころ、車にひかれそうになっていた子犬を助けたときにできたもの。周囲からの冷たい目線に晒されショックを受けることもありましたが、助けた犬と共にやさしい家族に囲まれて、明るく元気に過ごしていました。
そんなある日、8歳上の大好きな姉から婚約者のA男を紹介されることに。A男は大企業の御曹司だそうで、私は緊張しながら初対面の日を迎えます。
A男は私の顔を見て、最初は驚いた様子。しかし、その後は親切に接してくれました。私も「さすが姉が見つけた人だ」と感動したのでした。
結婚式当日にまさかの事件が…
数カ月後、ついに姉の結婚式当日に。トイレへ行こうとひとりで廊下に出た私は、広い式場で迷子になってしまいました。そこへ新郎のA男が通りかかったので声をかけると、彼から信じられない発言が……。
「君、来たの? まさかその顔で結婚式に来るとは。汚い顔の女は出入り禁止。お前は家でおとなしくしていろ」
私はあまりにひどい発言に呆然。A男が去った後もその場に立ち尽くしていると、姉が通りかかりました。様子のおかしい私を見て、姉は私がつらい思いをしているとすぐに勘付いたよう。隠しても無駄だと思った私は、A男との一件について正直に話しました。
すると姉は、「悔しかったわよね……。あなたが受けた屈辱は私が1000倍にして返してあげる。任せて」と言ってくれたのです。
披露宴で姉はA男に宣言!
私は姉に連れられ披露宴会場前まで行きました。そして「少しここで待ってて」と姉に言われます。言われた通り待っていると、A男が駆け寄ってきました。ゲストが多く集まっているなか、彼は私を人がいないところまで連れて行き「まだここにいたの? お前みたいな女がいると披露宴が台無しになるんだよ。俺は君のお姉さんのような美しい女以外は大嫌いなんだ。お前は俺の視界に入るな」と暴言を吐いたのです。
私は泣きそうになりながらも、「私は家族です。披露宴には参加しますから」と反論。そして、強引に披露宴会場の中に入りました。
披露宴がスタートし新郎新婦が入場すると、司会者が「早速ですが予定を変更し、まずは新婦様からのごあいさつです」と告げます。驚くA男の横でマイクを受け取った姉は、「こちらをお聞きください」とひと言。
そして、A男が私に投げた暴言が会場に響き渡ります。そう、実は姉は私に「もしA男が近づいてきたらスマホで録音して」と言っていたのです。披露宴会場はザワつき、A男は相当焦っている様子。
姉は「これは新郎が私の妹に放った言葉です。妹の顔の傷は子犬を助けたときのもの。心やさしい妹をコケにするような人とは結婚できません。この結婚は白紙に戻します!」と宣言しました。
両親もA男に激怒
「考え直してくれ……」と泣きつくA男に、姉は「大企業の御曹司でも、私の愛する家族を否定するような心が汚い人と結婚なんてできません」と一蹴。ゲストには「本日はお集まりいただいたのに、本当に申し訳ありません。せっかくなのでお食事だけは楽しんでいってくださいね」と言って高砂を降りました。
そして、私に向かって歩いてきた姉は「じゃあ一緒に帰ろうか!」と手を差し出したのです。その姿はまるで女神のよう。一方で、最後まで「俺と結婚できなかったら玉の輿にはのれないぞ!後悔してもしらないからな」としつこいA男に対し、会場内はヤジの嵐となりました。
その後、良識のあるA男の両親に連れられ、A男はしぶしぶ私と姉に謝罪。A男は父親の会社を引き継ぐ予定でしたが、その話も取り消しになったようでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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