同居を迫る義両親
義兄夫婦が出ていって以降、義両親は今までまったく興味を示さなかったわが家の新居について、根掘り葉掘り聞いてくるようになりました。
そしてついに、将来もうひとり子どもを……と考えている私たちが、子ども部屋として1部屋余分に用意していることを知ると、同居を迫るようになってしまったのです。
夫は断り続けていましたが、義両親はなかなか諦めてくれず毎日のように電話が鳴る日々。そうしているうちにも新居は完成し、いよいよ引っ越しの日がやってきました。
義両親のトンデモ発言
こだわりぬいたマイホームに足を踏み入れた私たちは感無量……! しかし、幸せに浸っていられたのは、ほんの一瞬。「勝手に引っ越すな!」「私たちの部屋はどこ?」と、義両親は挨拶もせず、新居に上がり込んできました。
義両親はほとんど地元から出ない生活を送っているので、電車を乗り継いでまでわざわざ突撃はしてこないだろうと思っていたのが甘かったようです。
夫が何度も帰るように言っても、2人ともここで同居をすると大騒ぎ……。もし今同居を承諾したとしても、うまくやる自信はありません。頑なに「うん」と言わない私たちに、義父はとんでもないことを言い出しました。
「同居をしないなら、うちの残りのローンを払え!」同居かローンの肩代わり……言っていることがめちゃくちゃです。
覚悟は決まった…!
たとえ共働きといっても、家2軒分のローンを支払う余裕は私たちにはありません。それなのに夫は「わかった。ローンの残りを俺が持つよ! その代わり、もう金輪際関わらないでくれ」と了承してしまいました。
その言葉を聞いた義両親は安心して帰っていき、夫は勝手に決めてしまったことを平謝り。私はとても不安な気持ちでした。しかし、夫が決めた以上は全力で応援するしかありません。私も覚悟を決めました。
それからしばらくして、二度と関わらないと約束したはずの義両親が、とんでもなく怒りながらわが家に突撃してきたのです。
夫の裏切り…!?
義両親は「親を裏切りやがったな!」と玄関先で怒鳴り散らします。私には何が起きているのかわからず大混乱。すると夫が登場し「ローンの返済は約束したけれど、ずっと住まわせる約束はしていない」と突き放すように言ったのです。
夫の話によると、義実家のローンを引き継ぐ際に、義父了承のもと名義を夫に変更したとのこと。義父は、やさしい息子が両親を追い出すわけがないと思っていたに違いありません。
しかし夫は持っていた株を現金化してローンを一括返済したようで、それを機に義実家の売却を進めていたのでした。
住む場所がなくなるとわかった義両親は、玄関先でわめき散らしていますが、何を言っても夫が正論で返すので、ついには言葉が出なくなってしまい、トボトボと帰っていきました。
なにはともあれ、縁を切るためとはいえわが家にとって痛い出費でした……。義両親は、ローンを返してもらっただけ幸せだと思って、あとは約束通り私たちに関与することなく静かに暮らしてほしいと願うばかりです。
いくつになっても親子であることは変わりませんが、子どもは親の所有物ではありません。無理難題をふっかけて迷惑をかけるのではなく、お互いを尊重しながら一緒に年を重ねていける関係性を築いていきたいものですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。