あるとき、家族で夫の実家に行くことになりました。義父はすでに亡くなっていて、義実家には義姉一家が同居しています。
義母が義実家でこき使われていて
実の娘たちと楽しく暮らしていると思っていたのですが、実際には義母は家事を押し付けられ、まるで召使いのように扱われていました。
「ちょっとお母さん、早くお皿を運んでよ!」と義姉から言われ、義姉の夫からは「お義母さん、ビールください」と頼まれ、甥も義母を見下すような態度を取っていて、唖然……!
夫が「自分たちのことは自分でやるべきだろ」と注意しても、義姉夫婦は聞く耳を持ちませんでした。
義母の事故と介護の決断
ある日のこと、義母が階段から転んでしまい、急いで病院に駆けつけた私たち。幸い命に別条はありませんでしたが、車椅子での生活が必要になると言われました。
義姉一家の反応は冷たく、「家事もやれなくなる上に、介護まで必要なの? 冗談じゃない」「車椅子生活なら、うちには帰れないわよ! 施設にでも行ってちょうだい!」と無情に言い放ちました。
私はやさしい義母が悲しい顔をしているのを見て耐えられず、「お義母さん、よかったらうちに来てください」と伝えました。
義母の介護をするはずだったのに
私たちはすぐに家のバリアフリー工事を行い、義母を迎え入れる準備を整えました。夫もこの決断を全力で支えてくれています。退院した義母は、介護ベッドの横にベビーベッドを置いて、「娘ちゃんの面倒は私がみるわ」と言ってくれました。
それからは、義母が娘の面倒をみてくれるようになり、私たちは仕事に集中できるようになりました。さらに、義母の体調が改善するにつれて、私たちが苦手な事務作業も手伝ってくれるようになり、「計算は得意なのよ」と以前に経理の仕事をしていた経験を活かしてくれるようになりました。
義母の意外な特技に助られ
今では義母の体調もすっかり良くなり、会社の経理として大いに貢献してくれています。娘もすっかり義母に懐いて、家族の絆は日に日に深まっています。
要介護になった実母を家から追い出した義姉一家とは、あの日以来疎遠になりました。後日、夫が義実家を訪れた際、家がかなり荒れていたそう。掃除や片付けを毎日丁寧にしてくれていた義母がいなくなり、さぞ困ったことでしょう。
いろいろありましたが、義母がいきいきと仕事をして、笑顔で過ごせるようになって本当によかったと思っています。この幸せがこれからもずっと続くように、一緒に頑張っていくつもりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。