やってはいけない「お米の保存方法」お米マイスターに聞いてみた
今回お話を伺ったのは、五つ星お米マイスター厳選のお米販売サイト「金子商店(結の蔵)」代表取締役社長の、金子真人さん。
“お米のプロ”である金子さんが提唱する「正しいお米の保存方法」についてご紹介します!
おすすめするお米の保存方法を教えてください!
金子さん:まずは「絶対に避けてほしい保存方法」をご説明しますね。
絶対やってほしくないことがありまして、「蒸れる場所や暑い場所で保存・濡れた手でお米を触る」、これらは絶対に避けてほしいです。
特に、料理中などに濡れた手で米びつからすくうのはやらないでほしい。
お米にはデンプンがたくさん含まれているので、水分が付着するとカビが発生しやすくなるんです。蒸れる場所も同じ理由ですね。温度が激しく上下する場所だと結露が生じてしまい、その水分で同様のリスクが高まるんです。
おすすめは「冷蔵庫の野菜室に密閉式保存袋で小分けにして保存」
金子さん:それを踏まえて「おすすめの保存方法」ですが、結論「冷蔵庫の野菜室に密閉式保存袋で小分けにして保存」が良いと思います。
まず、温度が20度以下の場所が保存に適していて、これは23度くらいから虫の発生リスクがあるためです。そして乾燥のしすぎもお米にとってよろしくありません。
これらの条件を家庭内で一番満たしているのは、冷蔵庫の野菜室になります。野菜がたくさんある中で邪魔になってしまうと思うので、密閉式保存袋のようなもので小分けにしておくとよいでしょう。
小分け1袋の目安は「1週間に使うお米の量」
金子さん:密閉式保存袋に入れる分量は、1週間に使う量のお米を目安にするといいでしょう。
例えば、お米を5kg買ったら4週分に分けて考えて、1袋1キロちょっとで分けるなどですね。
1週目、2週目、のような形で分けておけば、月の後半のお米でも空気に触れる機会も少なく新鮮なまま保存できます。お米を冬眠させるようなイメージですね。
開封したお米はどのくらいで食べきるのがベスト?
金子さん:例えば「5キロのお米1袋を買った場合の常温保存」だとすると、平均的な気温の時期であれば1か月を目安に食べきってほしいですね。
気温が高い夏場や湿気が多い梅雨の場合は、2週間くらいが理想です。
そのくらいからお米の酸化も進んでしまうし、保存時の劣化リスクもありますからね。前述のおすすめの保存方法の場合でも、やはりおおよそ1か月程度を一つの目安にしていただければなと思います。
古くなってしまったお米をおいしく食べるには?
金子さん:簡単な方法では、冷たいお水で炊くとよいでしょう。
低い温度から急速に沸騰させることで、お米をおいしく炊くコツとしてよくいわれる「はじめちょろちょろ中パッパ」ができるのです。
冷蔵庫に入れておいた5~8℃くらいのお水で炊くことをおすすめします。
お米を洗って炊く直前のお釜を冷蔵庫に入れておくでもいいでしょう。
火力の強い炊飯器を選ぶことも◎
金子さん:あとは、火力の強い炊飯器を選ぶこともお米をおいしく炊く方法の一つですね。
冷たいお水を一気に沸騰させるために火力がいるので、炊飯器選びは重要です。かまどで炊いたご飯がおいしいのは、火力が高いことも理由の一つなんです。
象印から発売されている「炎舞炊き」シリーズはおすすめですよ。
かまどの炊きあがりを追求した、高火力かつ独自のこだわりが詰まった”おいしくご飯が炊ける”炊飯器です。
様々な価格帯やモデルが販売されているので、ぜひご覧になってみてください。
お米に関する「やりがちだけど実はNG」なことはありますか?
金子さん:洗米を長めにしてしまう方がいますが、洗いすぎはNGです。洗米は3分程度で終わりにしてほしいですね。
5分くらい洗うとお米が11%くらい水分を吸ってしまうんです。3分程度であれば5%ほどしか吸いません。洗いすぎのお米と適切な洗米をしたお米、この2つを同じ条件で炊飯すると差が出るんです。
水分を吸い過ぎていないお米をきれいで冷たいお水で炊くとおいしく仕上がるので、洗米が面倒な人は1回だけにしておいてもいいでしょう。
お米を買う時に知っておいた方がいいことを教えてください
金子さん:「おいしいご飯が食べたい!」ということでしたら、値段が安いお米より適正価格のお米を買われることをおすすめします。
「すぐに炊き立てだけを食べることが多い」という方ならあまり気にしなくてもよいですが、炊きあがりから食べるまでタイムラグがある方が多いと思うので、おいしく食べたいのでしたら安すぎるお米には注意が必要です。
金子さん:お米には透明感があるお米と白くなっているお米がありまして、この白くなっているお米は「未熟粒・白田米」と呼ばれています。
気温などの関係で生育途中で成長が止まってしまったお米でして、デンプンの充実が止まってしまったものです。もちろん食べるのに問題などは全くありませんが、品質が良く透明感のあるお米と比較するとどうしても味は落ちてしまいます。
値段が安いお米にはこの「未熟粒・白田米」が多く含まれていることが多いのです。
金子さん:品質がいいお米はこのように透明感があるので、おいしいご飯を食べたい方は適正価格のお米を買われるとよいでしょう。
正しい保存方法ならお米はもっとおいしく食べられる♪
今回の記事では、五つ星お米マイスターの金子真人さんに聞いた「正しいお米の保存方法」をご紹介しました!
一工夫したり、ちょっと気を付けるだけでお米をおいしく保存することができるのですね。
みなさんはお家のお米、どのように保存していますか?ぜひ”五つ星お米マイスター金子さん”直伝の「正しいお米の保存方法」を試してみてください!