そんなに心配しないで
彼とデートの約束をしていた日の前日、タイミングが悪く私は生理に。当日、ほんの少しおなかが痛い程度だったので、デートを楽しむ気満々で彼が車で迎えにきてくれるのを待っていました。
迎えにきてくれた彼の車に乗った私は、「実は昨日から生理になっちゃってさー」と軽いノリで生理中ということを報告しました。すると、「家で寝ていないとダメだよ! デートはやめよう!」と慌てて言う彼。
彼の予想外の反応に「いや、生理痛はひどくないし元気だから大丈夫だよ」と私は言ったのですが、彼の心配は収まらず……。
その日のデートは彼の車で遠くの観光地に行く予定でしたが、彼は私の体調を気づかってトイレに行きやすい近場でのショッピングに変更し、デートを続行することになりました。
気づかいはありがたいけれど
そんな彼とのショッピングデート中、彼は30分おきに「体きつくない? トイレ行かなくていい? どこかに座ろうか?」と私に聞いてくれました。そのたびに、私は「大丈夫。きつかったりトイレに行きたくなったりしたらちゃんと言うから。ありがとう」と笑顔で返しました。
彼の気づかいはとてもありがたく、本当にやさしい人だなと感じました。
しかし、彼から同じことを何度も聞かれるうちに、私はだんだん鬱陶しくも感じてきてしまって……。「本当に大丈夫! どうしてもきついときは自分から言うから!」とトゲのある嫌な言い方をしてしまったのです。
無事仲直りしたけれど…
それからというもの、私が嫌な言い方をしたせいで彼は何も聞いてこなくなりました。ショッピング中の会話もだんだんと少なくなり、無言で彼と並んで歩く時間が増えてしまったのです。
そんなとき、歩きすぎて脚が疲れてきたので、私たちはカフェで休憩をすることに。私はお茶を飲みながら「さっきは嫌な言い方してごめんね」と彼に謝りました。彼は「僕もしつこく聞きすぎたね。ごめん」と言ってくれて、私たちは無事に仲直りしたのです。
その後、少し生理痛が重くなってきた私は、水で鎮痛薬を飲んでからカフェを出ました。すると突然、彼が私の目の前に背中を向け、しゃがんで「さっき鎮痛薬飲んでたけど大丈夫? おんぶするから背中に乗って」と言ってきたのです!
彼のまさかの行動に驚いた私は、「だから大丈夫だって!」とまた嫌な言い方を……。心配をしてくれるのはありがたかったのですが、生理中に脚をパカっと開いたままおんぶされる体勢になったら経血が漏れそうで、「絶対に嫌ぁー!」と思い、彼にきつく言ってしまったのでした。
私自身、彼の過剰な気づかいに少しイラッとしてしまったものの、私の体調を心配してくれた彼のやさしさはありがたかったなと、今振り返ると感じています。
著者:吉野詠美/40代女性・情報系専門学校を卒業後、技術系事務、経理、ショールーム受付、接客業などの仕事を経験。趣味は、コスメ・メイク・スキンケアなど美容に関することへの探求、読書(ミステリー多め)、アニメや海外ドラマ鑑賞、投資(メインは外国為替取引)など。
イラスト:すうみ
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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