温厚な夫がささいことでイライラするように
うちの夫は社交的で、子どもの同級生のパパ・ママなど、初対面の人とも会話を楽しめるタイプです。また、用水路にタイヤが落ちた軽トラックを見つけたときは、近所の人と一緒に助けるなどやさしいところもあります。ただ、夫は曲がったことが許せない人。態度が悪い店員に接客されたときなど、間違っていると思ったことに対しては怒り、感情をあらわにする一面もありました。
そんな夫とは2016年に結婚。同じタイミングで夫が転勤することになり、新たな地で生活を始めました。その後は2人の子どもに恵まれ、夫婦で協力しながら楽しくも忙しい毎日を過ごしてきました。
しかし、2023年の夏のこと。夫はささいなことで不機嫌になることが増えたように感じました。特に、当時5歳の息子と、2歳の娘のわがままな態度に対してイライラして怒るようになったのです。子どもの泣き声に対しては「うるさい!」と言うことも。私は、夫の不機嫌な態度に不満を抱きながらも、性格の問題だからしょうがないだろうと思っていました。また、娘がイヤイヤ期に突入していたため、夫が「イライラするのはよくあること」と思っていたのです。
頭痛が頻繁に起こり不機嫌になることも
しかし、夫の異変はイライラだけでなく体調にも表れるようになりました。毎朝のように、起きると「頭が痛い」と言うのです。ただ、夫はもともと片頭痛持ちだったため、初めはあまり深刻に考えていませんでしたが、その後も夫の頭痛は頻繁に起こるように。そして、頭痛がひどい日が増え、仕事を休むことが多くなってしまったのです。
さすがに私も「この状況は普通ではない」と思いました。私は夫に病院受診を提案しましたが、病院に行くのは面倒なのか、なかなか行こうとしません。痛み止めを飲んで寝ている日が続きました。
夫が仕事を休みがちになり2週間ほどたったころ、夫の会社から1本の電話がありました。電話の相手は健康相談窓口の社員。幸い夫の会社には、自身の健康について医師に相談できる窓口がありました。夫は今までも何度か頭痛のことを相談したことがあるようですが、今回は急に休みが多くなったため、夫の様子を心配して電話をくれたようでした。
会社に出向いて健康相談を受けるように促された夫は、ようやく重い腰を上げ、医師に体の状態を相談。その後、医師のすすめにより内科を受診し、処方された薬で様子を見ることになりました。
夫がやっと病院に行き、「これで体調がよくなるかもしれない」と安心感を覚えていた私。しかし、処方された薬を飲み続けても、夫の体調は回復しませんでした。それどころか、出社を試みた際には、会社に到着した時点で腹痛を起こすなどの異変も表れるように。そして、再び会社の健康相談窓口を利用することになった夫は、何度か医師に体調の相談を重ねた後、精神科の受診をすすめられたのです。
頭痛やイライラの原因は職場でのストレス
それから、夫は会社の健康相談の際に紹介を受けた精神科を受診。度重なる頭痛やイライラは自律神経の乱れが原因だろうとのことで、薬と定期的なカウンセリングで様子を見ることになりました。
私は正直、夫が精神科を受診することを信じたくない気持ちがありましたが、「やはり精神的な問題なんだ」と納得する部分も。実は、夫の不機嫌には思い当たる節があったのです。
夫の様子に異変を感じる少し前、夫が働いている部署に新しく50代前半の男性上司が来ていました。そして夫は、その男性上司とは「仕事のやり方が合わない」「傲慢(ごうまん)な態度が気に食わない」と不満を漏らしていたのです。まさか、明るく社交的な夫が人間関係のストレスで追い詰められるとは……。私は今まで夫の不機嫌な態度に正直不満を抱いていましたが、これから家にいる時間は夫がゆっくり休む時間を大切にしてあげることにしました。
夫は精神科の医師と何度かカウンセリングを重ね、男性上司とうまくいっていないことを話したようです。そして、会社と相談し部署の異動が決まりました。夫が部署を異動してからは、ストレスの原因である男性上司とは顔を合わせることがなくなったとのこと。頭痛やイライラの頻度は減り、体調が回復していきました。
夫の治療中は私がワンオペで家事や育児をしていたので大変でしたが、週末は義父母が手伝いに来てくれたこともあり、協力して乗り越えられたと思います。夫は体調がよくなると少しずつ子どもたちと笑顔で過ごせるようになっていきました。
まとめ
夫の不機嫌が増えたころ、娘のイヤイヤ期と重なっていたため「イライラするのもしょうがない」と思い込んでいました。しかし、不機嫌の裏には職場でのストレスという明確な理由があったのです。私は、夫の不機嫌な態度と繰り返す体調不良に不満を抱いていましたが、当時夫はとても苦しんでいたのだと思います。
今回は夫の会社に相談機関があってとても助かりました。夫婦で解決できない問題があるときは、周りの頼れる人に相談することも大事なのだと思った経験でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:佐田 美波/30代女性・パート主婦。同い年の夫・2018年生まれのひょうきん者の息子と、2021年生まれの娘と4人家族。忙しい中でも家族の時間を大切にしたいと思いながら暮らしている。
イラスト/ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
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