貧乏人とは付き合わない!?
変わらぬ距離感で接してくれるママ友曰く、ボスママは私が古いアパートから出てくるところを偶然見かけて、その場所を自宅だと勘違いしたそう。そんな貧しい暮らしをしている私は、付き合う相手として相応しくないと思ったのだと言います。
そのアパートは仕事に関係する場所だと友人が説明してくれたようですが、まったく聞き入れてくれないそう。友人は申し訳なさそうにしていました。
私だけならまだしも、子ども同士の関係性にまで影響が出ては困ります。私はボスママを待ち伏せし、誤解を解くことにしました。
しかしボスママは信じてくれず、貧乏人とは話したくない、今後はどこで会っても話しかけないで、と上から目線。あまりにひどい態度でびっくりしました。
ボスママの住むタワマンは地域ナンバーワン
そんな中、娘はボスママの子どもに誕生日のプレゼントを贈りたいと言います。子どもたちに親同士のことはなんの関係もありません。私は娘の申し出を受け入れ、誕生日当日にサプライズでプレゼントを届けることにしました。
誕生日当日、ボスママの住むタワマンを訪ねた私たち。娘さんはプレゼントを喜んでくれましたが、相変わらずボスママは私たちを見下します。
ちょうどこの日は、同じマンションのお友だちを呼んで誕生日パーティーをする計画を立てていたよう。呼んでもいないのに来るだなんてそんなにタワマンに入ってみたかったのかと、ここにきても嫌なことしか言いません。
プレゼントを渡したらさっさと帰りたかったものの、ボスママの話は終わりません。このタワマンはエリア内ナンバーワンの高級なマンションなのだそう。聞いてもいないマンションの自慢話を、次から次へと繰り広げられました。
ボスママの止まない嫌がらせ
そこへパーティーの招待客が次々とやってきました。みんなきれいな人たちで、ボスママ曰く有名なインフルエンサーや社長婦人なのだそうです。しかしなんだか見たことのある顔ばかり……。すると招待客は、次々と私に話しかけてくれました。
私の記憶もよみがえります。彼女たちは、私がサポートをしたお客様たち。私は地域を回っている保健師で、彼女たちには数年前に何度か訪問サポートで会ったことがあります。ちなみに、先日目撃されたアパートは私が子育てサロンを開くために借りている場所なのです。
招待客がみんな私に挨拶し楽しそうに話しているので、ボスママは不満そう。「貧乏人とは話をしないほうがいい」と言って、引き離そうとしました。みんなギョッとした顔をしています。
このままでは誕生日会が台無しになってしまいそうなので、私はこのタイミングで帰ることにしました。しかし私を貶す言葉が止まらない彼女をそのままにしておくことはできません。
ママ友の自慢のタワマンが…
私はタワマン自慢のボスママに、ある事実を教えることにしました。彼女の自慢は、このタワマンがこの地域1の高級なマンションであること。しかしそれもあとひと月程度。まもなく、さらに立地がよく高級仕様のタワマンが完成する予定です。ボスママは自分のマンションにしか興味がなかったようで、その事実を知らなかったのでした。
そして私はその新しいマンションをすでに購入済み。夫と娘と3人で引っ越すことが決まっています。つまり、ボスママよりも良い家に住むことになるでしょう。彼女は悔しそうな顔をしていました。
住んでいる家で人のランクが決まるとは思っていないので、本当は言うつもりはなかったのですが、仕方がありません。でも、これを明かすことで私への嫌がらせがなくなったので話してよかったと思っています。
また、ボスママのマンションで再会して以来、彼女の友だちのママたちが私の子育てサロンに顔を出してくれるようになりました。またご縁ができたのはとても嬉しいことです。
タワマンの生活は快適ですが、私はこの子育てサロンをしている古いアパートも大好きです。たくさんのママや子どもが集まり、ワイワイと賑やかで、助け合いながら子育てをしている環境を、これからもこれからも守っていきたいと思っています。
住む場所や職業などで自分と他人に優劣をつける人がいますが、高級な家に住んでいる人が必ずしも豊かなわけではありません。このお話は、本当の豊かさとは何か、改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
他人を思いやる気持ちや尊重する気持ちがないと、いつか誰も相手にしてくれなくなるかもしれませんね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。