お隣さんに謝罪をしに行くと…
息子が生まれてすぐのころのお話です。私は退院後、里帰りはせずに自宅マンションで育児をスタートさせました。新生児の息子は、おなかが空いては泣き、眠くて泣き、おむつを替えてほしくて泣き、昼夜問わずとにかくずっと泣く子です。
そして退院して1カ月後、マンションの掲示板に「騒音トラブルについて」の張り紙が貼ってありました。そこには、『最近子どもの泣き声がうるさいという苦情が寄せられている』とあり、窓を閉めるなどの対策をするように注意書きが……。すでに窓を閉める対策はとっていましたが、息子の泣き声はマンション内に響いていたのでしょう。
私はふと「もしかしてお隣でひとり暮らしをしている年配の女性・Aさんが管理会社に通報したのでは?」と思いました。Aさんとは引っ越しのごあいさつをしたきりで、妊娠したことも出産したことも伝えてはいません。夫との話し合いで、これから長いご近所付き合いになることを考えると、出産のごあいさつと謝罪には行ったほうがいいという結論に。
インターホンを鳴らすと「はい……」と不審がっている様子のAさん。やっはり怒っているのかな……と思いながら「隣に住む◯◯です。赤ちゃんの泣く声でご迷惑をおかけしているのではないかと思って、謝罪と出産ごあいさつに伺いました」と言うと、「あら、お隣の◯◯さんだったのね!」と明るく返事が返ってきました。
その後無事にあいさつを終えて帰宅した私たち家族。これで終わりかと思いきや、次の日玄関前にAさんからお花とお手紙が! 「出産おめでとう。昨日はわざわざあいさつに来てくれてありがとう。赤ちゃんの泣き声、ぜひ窓を開けて聞かせてください。ひとり暮らしで寂しくしているので、赤ちゃんの声を聞くと元気が出るのよ。家にも遊びに来てくださいね」と書いてありました。まさかそんな言葉をかけてもらえるとは思わず、産後でボロボロだった私はAさんの温かみに触れ、涙がぽろぽろと流れてきます。そして、Aさんは会うたびに息子の成長を喜んでくれる、第2の祖母的な存在になったのでした。
Aさんは「窓を開けて泣き声を聞かせてね」とまで言ってくれましたが、息子の泣き声で管理会社に連絡した住民がいたこともたしか。Aさんのようにやさしい言葉をかけてくれる人の存在を心の拠り所にしながら、子どもの騒音対策を引き続きしていきたいと感じた出来事です。
著者:谷口ひかり/30代・主婦。1歳の男の子を育てるアラサーママ。初めての育児に奮闘中。意思表示ができるようになった息子は地面に転がり今日も泣いている。毎日の楽しみは寝かしつけ後の晩酌。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)
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