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「早く受診していれば…」繰り返す便秘と腰痛の原因は大腸がん!40代ママが語る後悔と闘病の日々

当時40代前半だった知人の話です。私は彼女と同じ職場で働いていました。彼女は20代後半から約13年にわたり、便秘や腰痛に悩まされていました。ある日の健康診断で便に血が混じっていることが判明! 病院へ行くと「大腸がん」と診断を受けました。しかも、かなり進行した状態だったのです。長きにわたる治療と後悔で知人が得たものとは……。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師里村仁志先生

里村クリニック院長(埼玉県さいたま市南区大谷口5320-1)。消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
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繰り返す症状…原因は大腸がんだった

看護師である知人は、20代後半から約13年にわたり、繰り返す腰痛や便秘の症状に悩まされていました。しかし、夜勤のある不規則な生活、患者さんの移動や入浴介助など、重労働や職業病によるものだと思い、病院へ行っていませんでした。看護師としての知識や経験があったので、市販の緩下剤や湿布、コルセットを使い、症状を落ち着かせながら放置していました。

 

40代に入り、健康診断で便検査を2回分提出すると、まさかの2回分とも出血の陽性反応が。私は、知人の驚きを隠せなかった様子を今でも覚えています。知人は、今まで何度も便の検査を受けていましたが、出血の陽性反応が出ることはなかったようで「どうしよう、最近、便秘に腰痛もきついなと思っていたけど……。まさか、がんじゃないよね……」と、病気が隠れているのではないかという不安、病気を否定したいという気持ちが伝わってきました。

 

しかし、予感は的中。消化器内科で検査を受けると「大腸がん」と診断されました。大腸がんは初期では比較的症状が出ないため発見が遅れることも多く、知人もすでに進行した状態だったようです。そのため、治療のできる大きな専門病院を紹介されました。

 

便秘と腰痛を放置していた後悔の念

知人は手術に加え、術後に抗がん剤治療を受ける必要があると医師より説明を受けたそうです。

 

手術前に知人へ会いに行くと、涙を流しながら今の思いを話してくれました。「初めての手術に抗がん剤治療、どうなるのかな、怖いよ。もっと早く病院に行っておけば、ここまで病気が進むこともなかったよね」と、手術や抗がん剤治療を受けることへの不安や、繰り返す便秘や腰痛をなぜ放置してしまったのかという後悔を口にしていました。

 

手術を無事に終え、約半年間にわたる抗がん剤治療が始まります。治療が始まる最初の1カ月程度は薬の作用や副作用をみるために入院での治療をおこないました。副作用で激しい嘔吐に襲われ、数日間食事がとれないこともあったそうです。

 

治療を初めて2カ月目に入るころ、副作用も落ち着き家に帰れることになりました。ここから5カ月は外来での抗がん剤治療に切り替わり、長い入院生活からやっと解放されます。しかし、家に帰れるうれしさと、まだあと5カ月も治療や副作用と闘わなければいけないつらさで複雑な気持ちだったようです。

 

抗がん剤治療を続け約4カ月が経過したころ、体のだるさや骨髄抑制(白血球、赤血球、血小板といった血液成分の減少)が強く見られ、ほとんどの時間を家で寝て過ごしていました。当時はちょうどコロナ禍で、感染におびえながらの日々を過ごし、家族以外とはほとんど会わず寂しい生活だったようです。知人は抗がん剤に対する知識はありましたが、実際に経験すると、思っていた以上に苦しく、きつい治療だったと言っていました。

 

 

治療を終えたその後の行く末は……

手術後、約半年間にわたる抗がん剤治療を無事に終えた知人。現在、術後5年目になりますが、再発や転移もなく元気に過ごしています。苦しい闘病生活を乗り越えた知人は「もうこんな思いはしたくない。気になる症状があったらすぐに病院へ行くべきだね」と猛省しています。

 

今では、年に1回必ず病院へ行き、大腸カメラの検査を受けて、消化の良い食事や運動を取り入れながら、健康的な生活を意識して再発に気を付けています。ほかにも、気になる症状があれば病院へ行き自分で解決せずに医者へ相談するなど、看護師の知識や経験に頼りすぎないことが大切だと言っていました。

 

治療のために2年間辞めていた看護師への復帰もかない、現在は消化器外科病棟で働いています。知人は大腸がんにかかり、放置してしまった繰り返す症状、苦しい闘病生活を乗り越えた経験から、同じ思いで苦しんでいる患者さんに寄り添いたいと思い、現在の病棟を希望したそうです。知人は病気を乗り越え、仕事にプライベートに充実した日々を送っています。

 

まとめ

誰にでも起こりうる便秘や腰痛といった繰り返す症状には、病気が隠れているかもしれません。知人は、自分の身に起こった病気と向き合い、闘病生活を乗り越えたからこそ経験できた後悔や苦悩、命を助けてくれた医療関係者への敬意、弱音を受け止めてくれた家族や友人に感謝の気持ちでいっぱいでした。再び看護師として働き始め、同じ病気に苦しんでいる人たちの心の拠り所になれるよう、日々頑張っています。

 

知人の病気を通して、病院受診の大切さや1人で悩まず誰かと一緒に考え行動することで早い段階で解決につながることを学びました。知人の経験は苦しくきつかったと思いますが、病気からたくさんのものを得て、今はとても輝いています。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:肥後 なな/30代ライター。10年近く看護師として働き、2022年生まれの娘を育てるママ。シュナウザーが大好きで念願のわんちゃんとの生活も楽しんでいる。ママの影響で娘も動物が大好き。

イラスト/マメ美

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)

 

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